とある修道院の暗い小部屋で、布団をかぶり真ん中を蝋燭で照らしながら少女2人と少年1人が、寝ている周りを起こさないようにか、聞こえないようにか、まるで秘密ごとを話すかのように小さく話していた。

「ここの修道院の何処かに誰も知らない地下への道があって…そこには吸血鬼が眠ってるんだって!」

楽しそうに話す少年の頭をブロンドの長い髪の少女が叩く。

「いて!なにす―――」

「それはこっちの台詞よ、ルイ!意味分からない、根拠もない変な噂を真に受けないの!」

ルイと呼ばれる少年は不機嫌そうに叩かれた場所を擦りながら叩いた本人を見つめ口を開いた。

「でもさ、この間リースが血塗れになって倒れて死んでたの見たってやついるぜ?」

「ただその子が寝ぼけてたんじゃない?だって行方不明になってからリースどころかその死体ですら発見されないじゃない。
それに死体なんてのが見つかったら警察とかいっぱい来るはずだしね」

ブロンドの少女がそう言った後に、一番小柄な茶色の髪の少女が不安そうに呟いた。

「でもさ…最近ここにいる子供の人数が明らかに減ってきてるのも事実だよね…」

その少女の言葉に2人は顔を見合わせて黙り込んだ。
そう、ここ最近では修道院の子供以外にも、街に住む人が突然行方不明となっている事件が続いているのだ。
少女の不安そうに怯える姿を見て、ブロンドの髪の少女はその不安をかき消すかのように、明るく振る舞った。

「何言ってるのよセレーネ!全部噂よ!だから吸血鬼なんていないわ。
だから大丈夫だって!」

少女の言葉に茶色の髪の少女――セレーネは小さく頷いた。

「でもさセイラ、お前神父さんの部屋の奥に扉あるの知ってるだろ?神父さんに聞いても何も教えてくれないし…だから――」

「ルイ!」

ブロンドの髪の少女――セイラはルイの言葉を断ち切るように言い放った。
その時、廊下から足音が聞こえ、3人は慌てて蝋燭の火を消し各自の布団に潜り息を潜める。


だがその足跡の主が通り過ぎたかどうかを確認する前に、3人は深い眠りへと落ちていった――










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