「…綺麗」

ぽつりとそう呟いてから、昔のことが頭を過る。


((――吸血鬼がいる))


ルイ自身はもうそうは思っていないかもしれない。
だけれども、身近な周りの人が犯人であるとも思わないし、何より私たちは身近にいたセイラが突然いなくなった時から、その心の中に住み着く姿を見せない(もしかしたら姿など元々ないのかもしれない)《未知の存在》への恐怖が大きくなっていったのかもしれない。

だから神の御加護を示す十字架なのだろうか。


――私の身を案じてくれている

純粋に、その気持ちが伝わってきて嬉しかった。

セレーネはその十字架を首に掛ける。キラリ、と十字架が光を反射し輝いた気がした。












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