セイラが失踪した日からもう4年が経った。警察にも連絡したが、毎度のことながら手がかりも、セイラ自身も発見されることはなかった。
セイラが消えた日から今日までも、行方不明者は増えるばかりで、何一つ手がかりになるものは出ていない。
ルイは「いなくなったみんなを見つけ出したい」という思いから、1年前から神父の知人がいる学校に行くことを決めて、ここを出たのだ。
「あ、そうだ」
小さくルイはそう呟いて、ポケットの中から少しぐしゃぐしゃになった小さな小包をセレーネに渡した。
「誕生日おめでとう」
昔より大人っぽくなったけれど変わらない、無邪気でいたずらな笑顔を浮かべた。
「…ありがとう」
セレーネはプレゼントを胸元に持っていき、静かにそれを抱き締める。
ルイは自分の足で未来へと前に進み出した。
それなのに私は歳をとるばかりで何も変わっていない。
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