――――――――――――――――
――………ネ!
―――…い……レーネ!
「おい、セレーネ!!」
声がして目を開けると心配そうに顔を除き込んでいるルイと目が合った。
「大丈夫か?大分うなされていたぞ」
その言葉に先ほどの夢を思い出そうとするが、頭痛がそれを邪魔する。
なんだったんだろうあの夢
思い出せないが、漠然とした黒い靄がかかった何かががセレーネの心を掴み離さない。
「お前熱あるんじゃね?」
深刻そうな顔をして悩むセレーネを心配して、ルイはセレーネの額に手を乗せる。
「熱いよお前!やっぱ熱あるぞ絶対!
いつもの薬、まだ飲んでないんだろ?
俺、神父さんから預かってたから…ほら」
そう言ってルイはセレーネに薬を手渡す。
それを受け取り「ありがとう」と言ってからセレーネはその苦い薬を飲み込んだ。
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