※中学時代猿美 「お前って、頭いいよな」 「何だよ、唐突に」 いきなり美咲が変なことを言い出すから、読んでいた本から顔を上げた。 面白いとこだったのに。 「頭いいのにさ、何で俺なんかと……。やっぱ、やめた。忘れろ」 「へぇえ〜。何で美咲とつるんでるかって?」 「……」 「くっだらないな美咲ぃ」 俺が鼻で笑うと、美咲はそっぽを向いて膝を抱えた。 傷ついた?ごめん。だってあまりにもくだらない。 「俺は真剣なんだよ。…お前本当はもっと頭のいい奴といた方が楽しいんじゃねぇのかってさ」 「馬鹿だな。俺からしたら、身近に頭のいい人間なんていねぇよ」 「でも、俺じゃなくたって…」 ごめん、ごめんな。本当は美咲の言う通りで、お前じゃなきゃいけないなんてことはないはずだった。だけど、あの日あの時あの場所で出逢ったのは紛れもなくお前だったんだよ。他の人間と関わる必要性を、俺はお前から教わった。 「駄目だよ、美咲じゃないと」 お前がいないと、息もできない。 top |