ごめんね
ジャン








ただ君に伝えたかった
この気持ちが、本当に本物で本物に大事なんだってことを

人類の敵である巨人は、今日も数多の命をその胃袋で消費し、満たされればいらないと吐き出す まるで そう、味の無くなったガムを、クチャクチャとしたガムを吐き出すかのように 僕も今日、君の前から居なくなるみたいだよ…ジャン


目の前に迫った大きな口の中は真っ黒で吸い込まれそうだと思った 実際、これからこの口の中に入るのだけど
ここにきて初めて、死ぬことがどんなに怖いことなのかを感じた そして君と …君と些細な事で喧嘩してしまったことを後悔した 今悔やんでも仕方のないこと それは自分がよく分かっている 理解しているつもりだ

ミシリ と身体が軋む音がする
これで僕は伝えられないまま君を残して逝くことになるのが辛い


ごめん

あの時直ぐに謝るべきだった

ごめん

君を置いていくことになって




「 ごめん 」





僕の声は君に届いたのだろうか

また 怒られてしまう

ごめんね












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