空を舞う鳥は
ジャン





空を飛びたい

鳥になりたい


だから立体機動の訓練は大好きなんだ
風を感じて飛ぶのが気持ち良い そうロランが言っていた



今だってそうだ ガスを吹かし自由に飛び回っている 歓喜に満ちた顔がそれを物語っているのが分かった


「 おいっ ロラン あんまり飛ばし過ぎんなよ 」

「 大丈夫、大丈夫 ジャンに教わった通りにやってるから 」

ガスを吹かし過ぎてガス欠になる事を危惧した俺は、ロランに注意する


立体機動の訓練ではロランは正に水を得た魚の様だ もともと動き回るのが好きだと言って対人格闘もそれなりに真面目にやっていたし、教官に怒られて宿舎の周りを走らされてもあの芋女、もといサシャの様に息も絶え絶えにはならなかった
しかし、対人格闘の訓練よりもやはり立体機動の訓練が好きなのはロランの反応をみれば一目瞭然だった 教官が立体機動の訓練をする と言えば忽(たちま)ちロランの目はキラキラし出し、落ち着きが無くなるのだ



「 ジャン!! 目の前っ 」

「 うおっ!? あっぶね 」

ロランの声でハッと我に返る もう少しで巨大樹に顔面衝突する所だった

「 大丈夫? 」

「 あぁ 」

「 良かったね これ以上酷くなったら危ないもんね 」
…顔が

「 お前 後で覚えてろよ… 」

「 どうかなぁ〜 」

馬鹿にしたように笑うロランに軽く殺意が沸いた
ロランの後を追いかけるようにして俺はガスを吹かした
だけどやっぱりあいつは俺より先を行く

速く 高く

空を自由に舞う鳥のように

















☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・アンケリクのジャン2弾目
なんか自由の翼っぽいのは気にしないでください(^^;;







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