Danke




人類最強と持て囃されている彼、一人で一個小隊並の兵力を持つと言われている実力の持ち主であるリヴァイ兵長は私の憧れであった
頑張って彼のいる調査兵団に入るため訓練兵時代から立体機動や兵法、対人格闘、空間把握に至るまで 私は努力を惜しまなかった
その甲斐があってか私は首席ではないものの3位で卒業した
希望していた調査兵団へと両親の反対を押しきり入団をした
私の心臓は表では国家のために捧げてはいるが、裏で私は兵長に捧げたいと思っていた

現在はリヴァイ兵長の率いる班に所属している
壁外調査のない日は潔癖症な兵長と掃除に明け暮れ、溜まった書類の整理や訓練兵と変わらぬ体力作りをしたりして過ごしている
今日は書類の整理を同僚のペトラと一緒になって黙々とやっている
ペトラは私の一番の親友であり仲間であり家族のようなものだ

『 ね、ペトラ 』

『 どうしたの? 』

ペトラは優しくニコリと微笑んだ 私が男の人ならすぐに惚れただろうな、ってくらいな程ペトラは美人さんである

『 これ終わったらお茶しよ 』

『 そうね、そう言えばクッキーがあったはずだから一緒に食べましょうか 』

『 クッキー食べるー 』

甘いものが大好きな私にとってクッキーは何よりの癒しだ
(ペトラの可愛いさも癒し)
ウキウキして手を止めていると扉の開く音がした、見てみると、そこにはあのリヴァイ兵長がいた


『 手が止まってんぞ 早く終わらせろグズ 』

辛辣なお言葉です兵長
これでも数十枚は書いたのだから、それくらいは褒めてくれたって良いのではないかという言葉が喉元までくるが押し黙る
何を言われるか、足が出るか手が出るか 堪ったもんじゃない
リヴァイ兵長は憧れだったがこの班に配属された後、私の彼への理想像はガラガラと音を立てて崩れ落ちたと同時に、憧れも消えていった
初めて会ったときの言葉が

『 役に立ちそうじゃねぇ面だな 』


あぁ、私はなんて人に憧れを抱いていたのだろう
けれども私はめげることなく壁外調査での巨人討伐、事務や掃除など、役に立てるように頑張った 掃除なんて、これでもかというくらいやった 塵一つないように結構念入りに(兵長にはフンッと鼻で笑われたが)
『 兵長、シルヴィアは私の倍の書類を書いてますよ 』

ペトラは私を庇ってかそう言った ペトラまじ天使 さすが

『 …フンッ 』

鼻で笑いやがったな

『 ペトラ、 良いよ 手を止めてた私が悪いんだからさ 』

『 さっさと終わらせろ じゃねぇと休憩は無しだ 』

『 はーい 』





書類の整理が終わるとお待ちかねのクッキーに手を伸ばそうとすると兵長にヒョイと獲られた

『 あー!! クッキー 』

『 シルヴィア 』

兵長に名前を呼ばれたと思ったら私の口の中にクッキーが入ってきた 痛い 強いよ押し込み方

『 よくやった、 褒めてやる 』
上から目線ですか160pなのに
『 ……ありがとう?…ございます 』

『 良かったね シルヴィア 』

ペトラの微笑み最高







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