*愛してくれなんて言わないから のエレン視点
ミシッ
…グチャッ
俺の目の前で巨人が誰かを喰っている
あれは ロランだ
「 止めろぉぉぉぉぉぉぉっ!! 」
俺はロランを襲っている巨人へ向かいブレードを降りおろした
ロランを巨人から助けた時にはもう、息をしていなかった
「 おい… ロラン、 目を開けろよ… 」
体を揺さぶった 何度も何度も そんなことをしてもあいつは死んでるのに
ジャンがロランの死体を見て 涙を流しているのを俺は離れた所で見ていた
そして、ジャンがロランに対して言っている言葉を聞いた
ジャンがロランの事を好きだったなんて
食堂でロランを見かけたとき 俺は驚いた
あいつはジャンに話掛けていた でもジャンは無視をしている
いや、違う ロランは死んだんだ 俺の目の前で
ジャンは無視をしてるんじゃない ロランに気が付いてないだけだ
俺は周りには聞こえないようにロランに声を掛ける
「 やぁ エレン おはよう 」
だなんて、 いつもみたいに話すのを聞いて
死んだってことを伝えても良いのか 俺は分からなかった
ロランを見たやつは、俺以外に居ないのが不思議だった
なんで俺だけに見えるんだ
そう思った
食堂を出た後にミカサがやって来て 話をしたけれど頭の中はあいつのことで一杯だった
ロランはジャンといつも一緒だった 俺は、それが悔しくて仕方がなかった
話しかけることはあったけど、それでもロランは俺なんかより、ジャンの事ばかり考えてたのかもしれない
「 …僕はジャンに嫌われて無かったんだね 」
俺はロランに全てを話した
ロランはすでに死んでいること、ジャンがロランを嫌いになった訳ではないことを
「そっか …エレン、ありがとう 」
ほっとしたあいつの顔は今でも忘れられない
「 ロランっ お前 体が透けて 」
「 もう さよならみたいだ 」すうっとロランの体が光って、気づいたらもう体は薄くなっていた
「 ロランっ!! 俺は… 俺は、今でもお前が好きだ 」
最初で最後の告白をしたことも
「 ありがとう でも、…エレンの思いに僕は応えられないよ 僕は 」
-ジャンが好きなんだ
「 それでも俺は ロランが好きだった… 」
あぁ、やっぱり
最後まで見てくれなかった
少しでも俺を見てほしかった
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