愛してくれなんて言わないから
ジャン
*ジャン寄りだけどエレンがかなり出てます
僕はジャンに嫌われているみたいだ
「 やぁ 」
食堂にて軽い挨拶をジャンにする しかし彼は僕を無視して他の同期のいる席へと行ってしまった
小さい頃から一緒に居たのに どうしてそうなったのかは僕には分からない
「 おい なにしてんだよロラン!? 」
エレンは僕を見つけると周りには気付かれないような小さな声で話掛けた
「 やぁ エレン おはよう 」
「 おはよう、じゃねぇよ お前、何で居るんだよ 」
食堂の外へとエレンに連れていかれ誰も通らない通路で会話を再開する
「 僕が居て悪いの? 」
「 や …そうじゃねぇけど 」
「 じゃあ 良いじゃないか 」
エレンは何か言いにくそうにしている
「 お前… まだ、 」
「 エレン? 」
「 とにかく …あんまり変なことすんなよ 」
変なことって何だっけ?
僕はただ、ジャンに話掛けたいだけなのに
エレンは食堂へは行かずに部屋へと帰っていった
あ ジャンが食堂から出てきた 追いかけなきゃ
「 待てよ ジャン 」
ジャンに聞こえるくらい大きな声を出したのに ジャンは気付かない
…どうしてだろう
エレンは気付いてくれたのに
ジャンはライナーやベルトルトと一緒に部屋に向かっていた
僕も付いて行こう ジャンが気付かなくても 後の二人は気付いてくれるよね?
部屋に着いて ジャン達は話をし始めた
「 今日の訓練は疲れたな… 」
「 うん、 そうだね 」
「 本当 ダリぃよ… 」
訓練兵は色々と大変だよね 僕もすっごくきつかった
「 ロランはよく倒れてたよね? 」
「 おい ベルトルトっ!! 」
ベルトルトが僕の事を口に出した時 ライナーは何故かベルトルトを必死に止めていた
途端に空気が変わる
「 …いや 別に気にしてねぇって 」
ジャンはそう言ったけど どこか寂しそうにしていた
「 ごめん ジャン… 」
「 にしても …あいつが死んでから結構経ったな 」
ジャンは今、何て言ったんだ?
僕が…死んで?
嘘だ 僕はここにいるよ?
絶対違う 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
僕は走って部屋から逃げた
ドアは開けたままだったからそのまま出て行った
もちろん、誰も僕に気付いてはいなかった
近くにあった椅子にぶつかって ガタッ と音を立てたけど 誰も気にしていない
ちょっと不思議がるだけで後はなにもない
僕は一人 宿舎の外の木の下にぽつんと座って俯いていた
近くに何人か通るけれど
誰も、僕が居ないみたいに振る舞うんだ
「 僕は… 一体 」
「 ロラン…? 」
「 …エレン 」
僕を見つけたのはやっぱりジャンじゃなくてエレンだ
「 エレン 早く宿舎に 」
「 直ぐ行くから 先に行っててくれ ミカサ 」
「 でも… 」
「 いいからっ!! 」
「 分かった… 」
ミカサには僕は見えてないようだ エレンが宿舎に早く入らないのを不審がっていた
エレンはミカサに先に行くように言って、僕の側にやって来た
「 ねぇ エレン 僕は……死んだの? 」
「 ロラン 」
「 死んだから…僕は、誰にも気付いてもらえないの? 」
「 … 」
「 ジャンに気付いてもらえないの? 」
どうして?
エレンは黙ったままだ
「 教えてよっ!! 何も分からないなんて 僕だけが知らないなんてっ!! 」
「 …お前は 巨人掃討作戦の時に… 」
俺の目の前で死んだんだ
エレンは辛そうに、そう答えた
「 そ、う…なんだ 僕はあのときに… 死んじゃったんだね 」
「 …ごめんな ロラン 」
「 エレンが謝ることじゃないよ… ねぇ、 …ジャンは何か言ってた? 」
僕が死んだとき 何て言ってた?
「 ジャンは 見つかったお前の死体を見て 泣いてた、それで… 」
愛してくれなんて言わないから 俺の目の前に、またあの時 …ガキの時みたいに 俺の側に居て欲しかった
「 …僕はジャンに嫌われて無かったんだね 」
「 ああ… 」
「 そっか …エレン、ありがとう 」
「 ロランっ お前 体が透けて 」
「 もう さよならみたいだ 」
すうっと僕の体が光って、気づいたらもう体は薄くなっていた
「 ロランっ!! 俺は… 俺は、今でもお前が好きだ 」
「 ありがとう でも、…エレンの思いに僕は応えられないよ 僕は 」
-ジャンが好きなんだ
「 それでも俺は ロランが好きだった… 」
「 ジャンにさ 伝えておいてくれる? 『 愛してたよ 』って 」
「 分かった 」
「 たのんだよ エレン 」
そうして僕は エレンの前から光が弾けるように消えた
今度はちゃんと 自分で言えたらいいな
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・ 幽霊になってしまった男主
エレン以外には誰も気付いてもらえない話
エレン→男主→←ジャン
また
意味の分からない話を書いてしまった(^^;;
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