君の心を知る
紅明



最近、來琳は変わった気がする
何処がと言うと




「 來琳 ちょっと良いですか? 」

「 なんでしょうか 紅明様 」
「 この間の書簡の場所なんですが 」

「 それなら紅明様のお部屋の… 」


そう、私の名前を呼ぶときに“様”を付けるようになったのだ
煌帝国の第二皇子なのだから様付けは当たり前なのだけれど 來琳は違った 來琳とは幼い頃から一緒だった
そのせいか 私のことは
“紅明”と呼び捨てだった
話すときも敬語など無かった


「 紅明様? 」

「 あ、あぁ ありがとう 」

「 考え事ですか? 」

「 えぇ …まぁ 」

「 考え事のし過ぎでご自分の身の回りを忘れないで下さいね 」

「 ……來琳 」

「 はい 」

「 最近、來琳は変わった気がするのですが 」

「 そうですか? 」

「 その…前は敬語をそんなに使わなかった気が 」

「 … 」

「 それに 私の名前を呼ぶときに“様”を付けるようになって 」

「 敬称を付けるのは当たり前かと思いますが 」

「 それでは何処か変なんです 」

來琳が私から離れていくようなそんな感じ

「 変ですか? 」

「 はい 」

「 この間 紅覇様に言われたんです 」

「 紅覇に? 何と 」

「 『兄弟でも身分が高い訳でもないのにどうして明にいのこと呼び捨てなのぉ?』 と 、どう?似てた? 」

「 はい、紅覇が其所に居たのかと …ではなくて!! 」

「 それで 最近は敬語 でも前から私は紅明以外は様付けして敬語だったよ? 」


「 そうだったんですか 」

「 私が紅明に様付けすると変? 」

「 変では無いんですが
……二人の時位は名前で呼んで下さい 」


「 了解しました 紅明様 」

「 今は二人です 」

「 外に紅覇様がいますよ? 」

「 え 」




(いつ気付いたのぉ?來琳)

(さっき私が紅覇様の真似をしたとき位ですかね)

(紅覇…)





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