船長さんとベポの制止の声も聞かずに私は走り出していた あの人が あの人がこの街にいる その事実だけが私を動かしていた



「 っは …はぁっ 待って 」

またあの人に会えるなんて これは寧ろ運命なんじゃないかって思えるくらい奇跡的だ

人混みをスイスイ進んで行くあの人を私は追いかける
足が速いから追いかけるのは一苦労だった


「 っあ!? 」

しまった つまづいた
地面に顔が近くなる ああやっぱりちゃんと日頃から運動しとくんだったなぁ…
あの人の事はもう諦めよう そう思った時だった

「 お前はそうやっていつもつまづくのだな 」


支えてくれたのはあの人だった


「 ミホーク叔父さんっ!! 」


嬉しくって私はあの人の名前を呼ぶ 鷹の叔父さんの事を


「 また落ちたのか マリ 」


私の名前を呼んで、私をしっかりと立たせてくれた

「 そんな所です… 」

あはは と笑うと少し渋い顔をしながら私の頭を撫でてくれた
「そんな格好で走り回るとは… はしたない 」

「 うぅ… 」

全くもってその通りだった
私はあのゴスロリで走り回っていたのだ

「 でも ミホーク叔父さんがいたから 」

つい嬉しくて私はこうまでしたのだけど

「 はぁ…
息災のようでなによりだがな 」

「 えへへ 」

因みに私、今鷹の叔父さんに抱きついてます 最初は不服そうな顔をしたけど、それでも振り払おうとはしない、そんな所が好きです


「 でも 吃驚です ミホーク叔父さんにまた会えるなんて 」

これはもう運命感じますよねー なんて言うと頭に小さな衝撃が走る


「 この島に来たのは暇潰しだ お前の気配を感じて上陸した訳ではない 決して 」


このツンデレイケメン大剣豪様め!!
あう、ごめんなさい冗談です そんな怖い顔しないで下さい、 待って、夜に手を掛けないで!? もう何か既視感(デジャビュ)

だばー と汗が出そうになると叔父さんは黒刀・夜から手を離した


「 …分かれば良い 」


「 本当にごめんなさい …あ 」

「 今度は何だ 」

「 私 伝言を頼まれてました 」

そう、私がミホーク叔父さんを探していたのにはもうひとつ理由があったからだ

「 ほう …誰だ? 」

「 はい えっとまりも… じゃなくてゾロさんから 」

「 海賊狩りか 」

「 「俺がその頂点(ばしょ)に辿り着くまで待ってろ」 だそうです 」


本当にゾロって頑張り屋さん、方向オンチだけど 声大好きだけど 空のマヨネーズの容器持たせてあのセリフ言わせたい 違う漫画だけど… ゲフンゲフン

「 楽しみではあるな 」

「 楽しみですね 」

まぁ弟子になるの知ってるんだけどなぁ〜 ゾロの土下座ってレアだよレア



「 マリ、 私を追ってきたのは良いが …連れはどうした 」

「 はっ!? 失念してました 」

絶対おこだよ 船長さん激おこプンプン丸どころじゃないよね… バラされる決定だ


「 確か お前と一緒に居たのは北(ノース)のルーキーだな 」

「 はい今、お世話になってます 」


ていうか歩いてるの見てたんなら話し掛けてくれれば良かったのに って言ったら怒られそうな気がしたので言わなかった(夜を出されたら困るし…)





脇目も振らず 出たとこ勝負!






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