最近の陽輝さんは怪我をしてばっかりなのだと桃井さんに聞いて やはり何かあったのかもしれないと思い始めた 赤司くんに呼ばれて陽輝さんについて知っている事を聞かれた時には、あぁ、やはり と思ったのだった 陽輝さんは自分だけで抱えてしまうだろうからと 僕が、なるべく陽輝さんと会話するようにして欲しいと赤司くんからお願いされた僕は快くその願いを引き受けた
「 陽輝さん 最近、図書室に来ませんよね 」
「 あ〜 まぁそうだね 」
会話の途中、目を反らした陽輝さんは自身の傷だらけの手をぎゅっと握った
「 何かありました? 」
「 何もないよ 」
読みたい本が無いから行かないだけ というか読めないが正解かな
そう言って僕になるべく不信感を持たせないように陽輝さんは笑ったのだ
それはもう見ていてつらいものだった 陽輝さんはどんな気持ちでいるのだろうか そんな陽輝さんを見て 「 無理して笑わないで下さい 」と言えなかった僕は
放課後 陽輝さんのもとに数人の女子生徒がやって来て陽輝さんを連れて何処かへ行ってしまった 確か、やって来たのは女バスの部員だったはず バスケを止めた彼女とは、もう関係ないはずなのに どうしてだろうかと気になった僕は彼女達についていく事にした
少しでも何か 陽輝さんに起こっていることを知るための、僕のほんの僅かな勇気と共に
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