にーたん、にーたん
どうしてあそんでくれないの?
もか、 起きなさい とおかあさんがわたしをおこしてくれます
そしてわたしのひだりめにがんたいをつけます
わたしのひだりめは一さいのときにつぶれました
どうしてつぶれたのかはおとうさんもおかあさんもおしえてくれませんでした
でもひとりだけ わたしのおにいちゃんの
“せいじゅうろう”おにいちゃんはあるとき、わたしにおしえてくれました
「もかの左目はね 俺が潰したんだ」
どうしてときくと
「もかは知らなくていいんだ」
といいました
それからおにいちゃんはわたしとあそんでくれなくなりました
わたしが「 おにいちゃん あそんで 」 といっても
わたしが「 おにいちゃん えほんよんで 」 といっても
わたしが「 おにいちゃん おひるねしよう 」 といっても
おにいちゃんがこたえてくれることはありませんでした