大抵のことは何でもできるのに 一つだけ出来ないことがあって
これだけはどうしても 俺には出来ないと思っていた
「 黄瀬 ちょっとこい 」
部活中に赤司っちに呼ばれたことに驚いた
赤司っちには逆らうな、と多くの人が言っていた
後で何かあったら堪ったもんじゃないからすぐに其所に行った
赤司っちの前まで行くと
「 黄瀬 お前に頼みたいことがある 」
「 へ? 」
しまった 間抜けな声を出してしまった
あわてて どうしてなのか聞いてみた
「 お前は 青峰陽輝とは面識があったな 」
「 陽っちッスか? そりゃあ、あるッスけど… 」
それがどうしたと言うのだろうか
「 最近 どうも怪我をよくしているらしい 昨日、敦にも確認してもらった 本人は転んだだけ、と言っていたらしい 」
「 本人が言うならそうじゃないんスか? 」
「 その可能性もあるが 万が一 違ったらどうだ? 」
「 それは 」
「 とにかく 彼女の周りについて 情報を集めろ 」
有無を言わさない気ッスね
「 あの 少し良いッスか? 」
「 何だ? 」
「 何で俺なんスか? 他にもいるじゃないスか 青峰っちとか桃っちとか黒子っちも それに緑間っちや紫っちにだって 」
「 陽輝が弟に知られたいとおもうか? それに桃井には別のことを言ってある 黒子や敦にもだ 緑間にはまだ言っていないが 」
「 なら緑間っちにやらせれば」
「 あいつが他人と仲良く会話できると思うか? 」
それは 思わない だってあの緑間っちだから
「 周りから情報を上手く引き出すにはお前が一番適任だ 」
そう言われた
「 一応 やっては見るっスけど 役に立つかは 」
「 それを決めるのは情報を集めてからだ 」
「 はいっス 」
了承の意を示すと戻るようにと言われ練習を再開した
ストレッチをしながら 俺にしか出来ないことがあったのだと痛感した
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□ どうしよう 何か変な方向に行ってしまう…
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