少し赤みがかった短髪を揺らしながら鬱蒼と茂った木々の枝の上を歩く人物が一人。上着は黒地に赤い雲の絵が描かれたものでその長さは腰よりも上で短く、ポンチョのようだ。黒地に赤い雲、それはS級犯罪者集団『暁』の証明。実際、その人物は暁に所属していたが正規のメンバーではない。それは、その人物の師匠が暁に所属しており、その弟子として付いて来ただけの話だからだ。
その人物の名前はアカエイ。元々は霧隠れの忍だったが、師匠に出会いそして暁に入ることになったのである。



「師匠に頼まれたのはいいケド、これが本当に使えるのか分かんねーデス」

話方がおかしいがこれでも二十歳は越している。
師匠に頼まれたアカエイは傀儡のパーツをアジトまで運んでいた。パーツと言っても生身の人間のバラバラ死体である。少し破れた袋から人差し指と足首が覗いているが、それを気にすることもなく木の枝の上を次から次へと軽々飛び移る様は本当に忍なのだと思わせる。



「あと1時間40分32秒でアジトに着かないと師匠に砂鉄時雨をくらいマスね」



アカエイは移動スピードを上げた。自身の師匠の怒りを買う前に早く帰らなければ。








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テーマ「人外ファンタジー」
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