杠サトリ改めうちはサトリです。
やっとこさ五歳になりました。え? それまでの経緯? 割愛させてくださいよ。美人なミコトさんにオムツを変えられたり、母乳を飲まされたり、いろいろありました。すべては私の黒歴史に刻まれました。恥ずかしすぎて死ねる。いや本当に。

そうそう、うちは兄弟のお父さんであるうちはフガクさんなんですが、女の子だったのが嬉しいのか嬉しくないのか分からない表情で私を抱っこしてくれました。そんな渋い顔しなくても十分渋いと思いますよ、フガクさん。

そして、あのうちはイタチさん。ショタ万歳ありがとう私もう死んでもいいわ、というのは冗談です。でも小さい頃からイケメンだなんて反則だと思いません? ベビーベッドに寝かされている私の顔をよく覗き込む姿がよく見られました。そんなに顔を近づけたら鼻血ものなんですけど気づいてますかイタチさん。私の小さな手で一回り大きなイタチさんの手の指をぎゅっとすると顔を赤らめて微笑んでくれました。イタチさん可愛い。

ここで気づいたのは、うちは兄弟の弟の方、つまりうちはサスケくんがいないことだった。
私はもしかするとうちはサスケに成り代わってしまったのではないか、と考えた。なんとも浅はかで馬鹿らしいが、そう考えることにした。私が生まれた後にサスケが生まれていないし、逆にサスケが生まれた後に私が生まれていることもない訳で。これが揺るぎない事実証明となったのだ。


そして現在、私は兄になったイタチさんと共に近所の店へお使いに来ていた。私の左手はイタチさんの右手と繋がれている。なんという羞恥プレイ。まぁ外見五歳だし別に恥ずかしくもないけれど。イタチさんは私に、

「迷子になったら危険だ」

と言って手を繋いでくれた。危険かどうかは別として、私は迷子にはならない。外見が五歳であっても中身は女子高生、そんなヘマはしない。しかし、ここは黙ってイタチさんと手を繋ぐことにした。
先ほどいた八百屋で、店番のおばさんに「仲が良いのね〜」だなんて言われた時はもう羞恥しか感じなかった。それでもイタチさんを立ててあげるため、妹として「うんっ! わたし、にいさんすきだもん」と答えたのである。イタチさんの顔が赤くなったのを私は見逃さなかった。イタチさん本当に可愛い。





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