それはきっと治らない




最近、赤司くんを見ると胸がドキドキして苦しいの。

そう言うと赤司くんは「ふーん」と言って、また本へと目を向けた。

赤司くんに聞けば何か分かると思って聞いてみたのだけれど。

今だって、私は赤司くんの仕草や声にドキドキしている。心臓が壊れそうなくらい、私はドキドキしている。

「一つ教えてあげるよ」

そんな私を見て、赤司くんは口を開く。
「それは病気だよ」

病気?

「多分、一生治らない……」

そんな!? 一生治らないなんて、私はどうすれば。

「はは、大丈夫だよ」

「僕が治してあげるからね」

赤司くんはそう言うと、読んでいた本を閉じてから私を引き寄せて、ふわりと抱き締めた。






――それはきっと、恋という病








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