THE RAINY DAY
ザァー と雨の降る音がする
ふと窓の外を見ると 彼女を見つけた
傘も差さずに一人でいるから
僕は不思議に思った
いつも笑顔を見せていた彼女が今は空と一緒に泣いていた
教室が抜け出し彼女のもとへと傘を持って歩き出した
「 風邪を引きますよ 彼方さん 」
「 黒子くん … 」
彼女の顔は濡れていた 雨か彼女の涙なのか分からないくらい
「 どうして 傘も差さずに立っていたんですか 」
「 どうしてかな… 私、…多分 悲しかったのかも 」
「 何故ですか 」
「 あのね… 私 赤司くんに『好き』だって言ったの 」
やはり彼女は赤司くんが好きなんだ
「 それは… 」
「 でもね 振られちゃった 」
今の僕には必要ないんだって言われたの
「 だから 悲しかった と? 」
「 そう 私 ずっと赤司くんが好きだった 」
彼女はまた泣きそうだ でも堪えている
「 … 」
「 私は、 」
ぎゅっ
「 もう良いです もう、何も言わないで下さい 」
そう言って彼女を抱き締めた 差していた傘が雨でぐちゃぐちゃの地面に落ちる
「 !? 黒子くん 濡れちゃうよ 」
「 かまいません 」
僕は大丈夫です
「 でもっ 」
「 僕は あなたが好きなんです 」
「 え… ? 」
これまで胸のうちに隠していた僕の気持ちが溢れ出していた
「 ずっと好きでした ずっと君の事を想っていました 」
あなた赤司くんが好きなことも それでも僕は君の事を諦められませんでした
「 黒子くん…? 」
「 …いつも笑っているあなたが 僕は好きです 」
だからもう泣かないで
今の僕の精一杯の気持ちだ
「 …とに? 」
「 何ですか? 」
「 本当に 私のこと… 好き? 」
彼女は僕の目を見た
「 好きです 」
だから、僕はそう言う
「 あなたじゃなきゃ 僕は嫌です 」
「 でも 私…」
「 今は無理でも 少しずつで良いんです 僕を 好きになってください 」
「 ずるいよ 」
そんなこと言ったら私
「 好きになっちゃうよ 」
ポロポロと涙を流す彼女をまた優しく抱き締めた
(赤ちん 良かったの〜?)
(何がだ)
(彼方ちんの事、好きだったんでしょ〜?)
(まぁ …でも、黒子の方が先にあいつを好きになっていたからな)
(赤ちん 優し〜)
(…紫原 今日のメニュー増やしても良いかい?)
(えぇ〜 やだ)
▼ ◎