当意即妙
高尾



当意即妙…その場に適応してすばやく機転をきかすこと


図書室でたまたま辞書で調べものをしていた時にこの四字熟語を見て思い浮かんだのは高尾くんだった


その場に適応する順応性を持ち、誰ともすばやく打ち解けてしまう彼は私にとって憧れだ
私もあんなふうなら良かったのにと思う
未だに、クラスの皆と打ち解けることの出来ない私はいつまでたってもうじうじするばかりだ
はぁ… と何度目かも分からないため息を私が溢した時だった

「 ため息なんてしたら幸せ逃げるぜ? 」


「 へ? 」

声の主は私が正に考えていた高尾くんだった


「 だから ため息は幸せが逃げるんだって 」


笑えよ なっ?

そう言ってニカッと此方を見て笑う高尾くん いつもは遠くから見ていたその顔が、今は近くにあることにドキリとした



「 高尾くんって凄いよね 」

「 えぇ? どこら辺が? 」

「 だって、知らない人にだって直ぐに話しかけて仲良くなるじゃない それに… 」

だんだんと小さくなっていく声が自分でも分かった 最後あたりはもうゴニョゴニョとしか聞こえていないだろう


「 ふーん 」

「 とっ、兎に角 高尾くんは凄いのっ!? 」

「 分かった、分かった 」

俺の印象ってそんなんだったんだな マジびっくり

笑いながらそう言う高尾くん
その時に何処からか音楽が流れてきた 携帯の着メロだと思う

「 うわ ごめん 俺の 」

ポケットから携帯を取り出した高尾くんはメールの着信だと教えてくれた

「 何だったの? 」

「 えーと 『 誕生日おめでとうなのだよ高尾 』 って 真ちゃんかよっ!! 」

メールを読んで誰から来たのかを知るといきなり吹き出した
真ちゃんとは緑間くんの事を指すのだろうか 下の名前は確か真太郎だったから

「 高尾くんって …もしかして今日が誕生日なの ? 」

「 うん 」

「 おめでとうっ!! 」

「 さんきゅ 」

「 あ、 …何にも渡す物ないや 昨日なら飴持ってたんだけど 」

スカートのポケットを漁るが無いものは無いので私はしゅんとしてしまう

「 良いって 気にすんな 」

高尾くんはまた笑って答える

「 でも 」

「 あー、 じゃあさ 俺と友達になって 」


「 え? 」

「 プレゼントは新しく芽生えた友情ってことで 」

な?

と私を見てくる

「 う、うん 私 高尾くんと友達になりたい 」

「 もう、なってる 」


「 よろしくね 高尾くん!! 」

私は嬉しくていつの間にか高尾くんの手をとってぶんぶんと振りながら握っていた

「 おう!! 」


やっぱ笑ってる顔が一番良いな と言われてちょっぴり恥ずかしい気にもなるけど とても嬉しかった
















――――――――――――
後書き的な何か

・高尾 誕生日おめでとう☆
・なんとか書き終わって良かった(´∇`)




2013・11・21


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