かき氷



私は今日、家の近くで行われている夏祭りに来ている
友達と行く約束をしていたが、都合が悪くなり一人で行くことになった

「 一人でお祭り回るのって初めてだなぁ 」

毎年、夏祭りに行く時は両親か友人と行っていたからどこか心細い

「 まぁ、楽しみますか 」

カラン、と下駄を鳴らし私は出店を見て回ろうと歩き出した


暫くして、かき氷の出店を見つけたので 寄ってみる

「 すみません ブルーハワイの練乳かけを下さい 」

「 いらっしゃい ブルーハワイの練乳かけだね? ちょっと待っててね 」

頭をタオルで巻いているおじちゃんが元気よく挨拶をして、氷をかき氷機にセットした
削れた氷は真っ白でふわふわした雪のようだった

ブルーハワイ特有の爽やかな水色のシロップがその雪のような氷を浸食していく
甘い匂いを立てながらシロップの上に練乳がかかる


「 はい、お待ち 」

「 ありがとうごさいます 」

「 おうっ!! 」

本当に元気なおじちゃんだった


私は近くの飲食スペースにあった椅子に座って注文したかき氷を少し、スプーンで掬い口に入れた

「 〜〜っ!! 」

キーンッ と頭にくる感じがたまらない

「 美味しい 」

「 美味しそうですね かき氷 」

「 え? 」

「 こんばんは 白雪さん 」

いきなり声を掛けられて驚いた
その声は黒子くんのものだった


「 黒子くん!? こんばんは 」

「 驚かせてしまったみたいですね すみません 」

「 ううん 良いよ
黒子くんは誰かと来たの?」

「 はい、 火神くんと来たんです。 ですが途中ではぐれたので今は一人です 」

はぐれちゃったんだ黒子くん
「 火神くんは大丈夫なの? 」

「 多分大丈夫です。 火神くんですから 」

「 そう? 」

「 それより、白雪さんは一人ですか? 」

黒子くんが私の隣の椅子に座りながら聞いてきた

「 うん… 最初は友達と約束してたんだけど、急用で来れなくなっちゃってね 」

視線を手元のかき氷に落として言った

「 じゃあ白雪さん、僕と一緒に回りませんか? 」

火神くんを探しながら


「 良いの? 」

「 女の子を一人にするのは、いくらお祭りで明るいといっても危険ですから 」

「 …ありがと 」

黒子くんのこう言う紳士な所が私は好きだ

「 いいえ
白雪さん かき氷溶けますよ? 」

「 あっ!! 本当だ 」

「 食べ終わったら行きましょうか 」

「 うん 」




今年の夏祭りは結構楽しみかも









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