曇りのち飴
紫原・氷室




『―今日の天気は晴れ、ところにより曇りのち雨になるでしょう 折り畳み傘が必要になります。それでは皆様今日も1日頑張りましょう。』

―続いて、朝の…


今日の天気予報はところにより曇りのち雨 だとニュースのお天気お姉さんが愛想笑いを振り撒きながら言った


「 …ぁ 折り畳み傘どうしよ 部屋に取りに行くの面倒くさいな 」

今、私がいるのは陽泉高校の学生寮の食堂 ここは男女一緒の寮だからまわりにはちらほら男子生徒と女子生徒がいる


部屋はこの食堂からはかなり遠いのでもう歩きたくない

制服に着替えてここに来たし鞄も持ってきていたから余計に疲れる

食堂で天気予報をみるのが日課になっている(部屋のテレビが故障しているのが原因なわけだ)

「 …テレビ早く直してくれないかな 」

「 宇弥の部屋のテレビはまだ故障中? 」

「 氷室先輩っ! おはようございます 」

「 おはよう 」

「 そうなんです… 」

「 大変だね 」

素晴らしい微笑みを携えながら私の頭を先輩はなでなでした
「 あ 先輩 今日ところにより曇りのち雨らしいです 」

そう言っていると後ろになぜか重さを感じた

「 宇弥ちん 今日は飴が降るの〜? 」

気の抜けるような声でむっくんが寄りかかりながら喋った

「 降らないから!!さっきのは雨であって飴じゃないから 」

ていうか早く退いて 重い!!

抗議すると後ろから重みが消えた

「 敦 おはよう 」

「 おはよ〜 室ちん 」

「 なんで飴が降るのよ 」

「 え〜 だって飴でしょ〜 」
美味しそう

と、若干 目をキラキラさせたのは気のせいかな ?




「 大量の飴が降ってきたら多分傘が壊れちゃうね それに、当たると痛いと思うよ 」


氷室先輩はむっくんにそう言った

「 そう? 」

「 うん 俺はそう思うよ 」

「 私もそう思います 」

「 面白そうなのに 」

いやいや 全然面白そうじゃないよ お天気お姉さんも大変だよ 大量の飴が降ってくる中でリポートしてるの想像したら …なんか可哀想だよ


本当にむっくんはお菓子のことしか考えてないのか

「 まぁ 少量くらいなら楽しそうだよね 」

「 でしょ〜 」

楽しい…、 のかな?






ねぇ 神様 たまには雨じゃなくて飴でも降らしてくれないかな

曇りのち飴















―――――――――――
後書き的な何か

・久しぶりに書いたからキャラとか口調とかわからん(^^;;


・むっくんがそんなこと考えてたら良いなと思って書いてみた







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