初めて彼女と手を繋いだとき
この手を離してしまったら彼女が消えてしまいそうな気がして
怖くなって彼女を抱きしめた
「テツくん? どうしたの?」
「いえ ただ彼方さんが何処かに行ってしまいそうで」
「私は何処にも行かないよ、ずっとテツくんの傍にいるよ だからテツくんも傍にいて」
彼女がそんなことを思っていたなんて
「僕も何処にも行きません ずっと傍にいます あなたが大好きですから」
僕がそう言うと
「私も テツくんのこと大好きだよ」
と頬を赤く染めて言った
―この時間がもっとずっと長く続けば良いと思った ずっと傍にいることが出来ると思っていたのに―
彼方さん あなたはもうここには居ないんですね……
虚空を見つめる僕はなんて無力なんでしょうか
どうか空にいるあなたが幸せでありますように
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後書き的な何か
・何故か悲しい話になってしまった
・傍にいると誓った黒子の後悔と傍にいると誓って消えてしまった女の子の話
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