▼ 笑う自分が偽りの姿なら



僕の能力は、他人の思考を覗ける事。
人が考えている物事が全て読み取れる。便利なようで実際はあまり気分がすぐれない

僕が所属するヴァルハラには思考が腐り果てているような貴族達がうじゃうじゃとさ迷っている。
自分の権力と強欲を振るう為にしか働いてない脳内がまる見えな人(フレイさん曰く「人間のクズ」)たちを、こうも毎日のように目に入れるのは正直きつい。

だから僕は、ある日を境に能力を最低限使わないようにした。
ヴァルハラ全ての人間が腐っている訳ではないけれど、僕は純粋に人間を見る事が出来なくなった。

「アスクが何故敬語口調か、当ててあげようか」

「理由なんてないですよ」

僕は、フレイさんをはじめ、仲間にも能力を使った事が無い。
たとえ仲間であっても、人の脳内を知る事がいつの間にか恐ろしく感じる様になっていたからだ。

「他人と、自分との…ボーダーライン。」

「……とは?」

「アスクはきっと、他人と距離を置く事で自分を保ってるんだよ。」

「……」

「まぁ僕は嫌いじゃないよ、その敬語。」



(フレイとアスク)



2011/12/13 00:53 (0)

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -