▼ 眠り姫*



あれから何年が経っただろうか
負の傷跡は未だに癒えないまま、彼女は深い眠りについてしまって。

「ねぇ、彼の事…ちゃんと覚えてる…?」

返事なんて帰って来る筈もなく
ただただ呟いただけの言葉は空気に溶けていった
私が彼女のように優れた能力者であれば、こんな事にはならなかったのに

「眠り姫さん、いつ起きるの」

だからせめてもの償いというばかりに
私は今日も彼を探す。
もうこの世に存在していない彼を、探すんだ


いつか貴女が目覚める日を想いながら。

眠り姫、(目覚めども彼はもう、)




title Thankyou!→風雅



2011/12/05 00:26 (0)

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