あれから何年が経っただろうか
負の傷跡は未だに癒えないまま、彼女は深い眠りについてしまって。
「ねぇ、彼の事…ちゃんと覚えてる…?」
返事なんて帰って来る筈もなく
ただただ呟いただけの言葉は空気に溶けていった
私が彼女のように優れた能力者であれば、こんな事にはならなかったのに
「眠り姫さん、いつ起きるの」
だからせめてもの償いというばかりに
私は今日も彼を探す。
もうこの世に存在していない彼を、探すんだ
いつか貴女が目覚める日を想いながら。
眠り姫、(目覚めども彼はもう、)
title Thankyou!→風雅