世界は一度滅んだ。

くだらない人間どうしの争いで
小国は疎か先進国までもが壊滅的な被害に遭い、復興するだけでどれだけの年月を無駄にしたか。
その復興作業の主な指揮をとったアメリカ主体のグループ、後に"ヴァルハラ"と名乗るその機関は
見事なまでに世界を統一し、著しく成長させた。
だけれども無くした物の重みは世代を超えてもなお計り知れなかった。
人口は30億人までに激減し、自然は荒れ地になり、ヴァルハラに反感を持つ人も出始める。
世界が統一された事によってそれぞれの文化の違いも混ざり合い、今ようやく落ち着きを取り戻しつつある所で、

｢ラグナロク…｣

またも新たな戦乱が起きてしまった。
死者負傷者は300人に満たないが、世界は大きく変貌した。
人間に特別な能力を芽生えさせてしまったのだ。


｢見とおみ、世界は紅こうなってきてますえ。｣

｢そうだね｣

｢神様は何処へ行かはったんやろか、早よ帰って来ておくれやす…｣


(レギンとルキューレ)