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はあ、はあ、と肩で息をしている彼女は、悔しそうに彼を見つめた。
「なん、で…っ」
「どうしたんですかィ?俺ァまだまだですぜィ」
「も、無理…!」
ニヤリと笑ってほぼ強引に口づけた。
(( たまには交代 ))
何故こうなったのかと言えば、全ては負けず嫌いな彼女の一言から始まった。
「私、総ちゃんがイッたところ、あんまり見てない気がする」
行為が終わった後ボソリと呟いたそれ。彼は余裕の顔で「俺ァそんなヤワじゃねえんでさァ」と返した。それにカチンときた彼女は、今日は彼が達するまで終わらないと宣言したのだが…もう彼女は何度達したか分からない。
そして今に至るわけだ。
流石はドS王子と言ったものだが、彼女がギブアップを訴えても聞く耳を持たない。それどころかまだまだだと余裕の笑顔で攻め立てる。
「ん、ゃ…」
もう何度弄られたか分からないソコを再び愛撫される。熱が冷めないソコは充分に敏感になっていて。
「あっ、総ちゃ…っん、待って…」
「何でィ」
「あ、待っ…、今度は、わたしに、させてよ…っ」
その場しのぎで言った一言だが沖田はピクッと肩を揺らして一瞬フリーズした。
「…総ちゃん…?」
「絶対だめですぜィ」
「な、何でよっ」
「だめだって言ったらだめなんでィ」
ぶすっとした態度。少しだけ希望が見えた気がして彼女は気付かれないように口角を上げた。
「ちょっとだけだってば!」
「待っ、」
彼女はガバッと起き上がり、彼の上に乗る。
「そういえば初めてだよね」
勝手に話を進める彼女に焦りを覚えて逃げようとするものの、彼女の手はもう自身に触れていた。
「良いでしょ?やり方とかよく分からないけど」
「………もう好きにしなせェ」
非常に嫌そうに言うと彼女はにやにやと笑ってソレを口に含んだ。
「っ、ん…」
舌で先端を撫でれば、すぐにビクッと腰が引かれる。それをきちんと押さえて先端はしっかり舌で愛撫し、口へ入りきらないところは手で扱いていった。
「…ッも、もういい…っ」
「え、早いよ総ちゃん…?」
何度も擦り上げ、横からもしゃぶりついて。その度ビクリと身体が揺れるのが分かった。裏側を舐めると過剰な反応。彼は息を切らせて、もう抵抗もできないくらいに。
「もう、離して下せェ…っ」
「ん、何で」
「出、しちゃい、やす…!」
「あはは、それが目的でしょ」
舌に微かに苦みを感じ、そろそろかと思って舌を射精口に捩込むように埋める。手もぐちゅぐちゅと厭らしい音を響かせるように動かして。
「っ、すいや、せん、もう…」
刹那、彼の両手が彼女の頭を捕らえる。そこへ自身を深く挿れた。突然喉の奥まで入ってきたソレに驚き、そして苦しげに目に涙を溜めるが彼は彼女の頭を前後に動かすようにして絶頂を迎えようとする。一瞬ドクドクッと強く脈をうってから彼女の口腔に白い欲を吐いた。
にやにやと笑っているのは1人だけだ。
「やっと総ちゃんに勝ったー!」
「…うるせェ」
不機嫌そうに吐き捨てる彼は非常にご機嫌斜めだ。格好悪いところを見せてしまった、と後悔は後の祭り。彼女に苦しい思いをさせてまで快楽を求めてしまったことなんか恥ずかしすぎて死にそうだ。
「でも総ちゃん、攻められるのに弱いなんて…」
「うるせェ!Sは打たれ弱いんでィ」
「あはっ、可愛いなーもう」
「………」
完全に彼を怒らせたようで、彼女のことをキッと睨む彼は再び彼女を押し倒し返す。
「あんまり言うと怒りますぜィ…今夜は泣いて許しを乞うぐれぇしてもらわねぇと寝かしやせん」
「えっ、何で?!だって総ちゃん、気持ち良かったんじゃ…」
「それ以上言ってみろィ」
絶対寝かしやせん、と目を光らせ、彼は彼女の脚を持ち上げた。
END
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初めて味わう好きな人の口の中が気持ち良すぎて早漏になってたらいいです(笑)
名前様、お付き合いありがとうございました。
20111118
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