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「名前、ちょっと来てくれ」
「?はーい」
彼女と話しているといつも必ず土方が乱入してくる。手伝ってほしいことがある、と横から奪っていくのだ。彼は毎度それが気にくわなかった。名前は俺の女なのに、と言ってやりたかったが、土方は手伝いと言っているだけなので大人気ないと分かっていた。それに、この俺が嫉妬なんて、というプライドからも尚更言えないのだ。
(( やきもち ))
「ただいまっ」
彼がアイマスクを付けて寝ていると、彼女はようやく帰ってきた。
(遅い…)
「…おかえりなせェ」
「もー、総ちゃん寝てたの?夜寝れなくなっちゃうよ」
自分はぶすっとして不機嫌オーラを出しているのに彼女はニコニコと笑っていてそれに気付かない。というか今日の彼女はテンションが高く、何かあったことが安易に予想がつく。
(土方と何してきやがったんでィ…)
彼の苛々は募るばかりだった。
「んー総ちゃん?返事してよー。まだ眠いの?」
しかし彼女は鈍感なもので、未だそんなことを言っている。その態度が無性に腹立たしくて、彼は彼女の顎を掴んだ。
「…、総、ちゃ…?」
そのまま深く口づけると彼女は ん、と息を漏らした。歯の裏をゾロリと舐め、舌を絡めて小さく吸う。口腔を犯し続けると彼女からはギブアップとでも言うような苦しそうな吐息が漏れた。それでも止めてやらなくて、クチュクチュと厭らしく水音を響かせるように舌を絡ませて、彼女の羞恥心を煽った。
暫く続けていると彼女の身体から力が抜けていくのを感じ、吐息混じりに漏らす声も多くなっていった。
「んっ、く…、んぅぅ…っ」
だんだん彼女からも舌を絡ませてきたのでやっと彼は満足気に口を緩ませて彼女の下唇をちゅっ、と吸ってから唇を離した。彼女は余韻に浸っているのか目がトロンとしていて頬を紅潮させて彼を見上げていた。そんな彼女がとても愛おしく、優しくぎゅうと抱きしめると、彼女もまた彼の首に腕を回した。
「総ちゃん、どうしたの…?」
「…何でもねェ」
「…?」
「分からなくて良いんでさァ」
(嫉妬なんてかっこわるいこと言えやせんしねェ…)
ただ、あんなに腹が立っていたのにたったキスだけでこんなにも機嫌を取り戻している自分に呆れることしかできなかった。
(最近ハマりすぎて怖ェや…)
END
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彼女にハマりすぎて独占欲がむくむくしてくる沖田さん可愛いと思って衝動的に。名前様、お付き合いありがとうございました。
20111105
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