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「ねー良いじゃん、シよー」
「も、ダメだって…!」
彼は誘い方が上手い。先程から耳元で囁きながら、ぎゅうと抱き着いてくる。
「でも王子、シたい」
「だめっ」
「えー。だってさぁ、」
彼は人差し指で彼女のスカートの中をなぞった。
「そんなこと言って、もう濡れてんじゃん?」
ししっ、と笑う彼に、彼女はただ赤面するしかなかった。
彼は意地悪で気分屋だ。
それは王子として生きてきたというところからあるのだと思うのだが、日々それに振り回されてばかりだ。それはベッドの中でも変わらない。
やわやわと胸を揉まれながら、彼女はキュ、と彼のシャツを掴む。
「ちょ、ベル…っ」
「気持ち良い?」
「なっ、違っ…」
「へー違うんだ。身体は反応してんのにな」
スカートの中に手を入れられる。そこはもうぐっしょりとしていて、彼はニヤニヤと笑うだけだ。
それから服を脱がされ、下着まで剥ぎ取られる。指で陰核をクリクリといじられて、じんわりと熱が広がった。奥でじんじんと疼きはじめ、彼女は肩を揺らした。
「ん、や…っ、ベル、」
「何、ココが悦いのかよ?」
「あっ、ッ」
ブンブンと首を横に振ると、面白くなさそうにそこから手を離した。
「ふーん、じゃあ触ってやんね」
「えっ、なんで…」
「悦くねぇんだろ」
彼女の身体はもう火照りきっていて、限りなく拷問に近い。
「やだぁ…っ」
「何がだよ」
彼は少し強い口調で言うから、彼女は彼のシャツを摘んで俯いた。
「気持ち良いから、止めないで…」
「言えんじゃん」
ししっ、と笑う彼は、本当に意地悪。再び愛撫を再開する。
「すげー濡れてんな。まだまだ出るし」
「や、言わないでよ…っ」
「んじゃあ、お前言ってみ?」
「え?」
ついに秘部に指を入れて、彼は上機嫌だ。しかし、彼の機嫌が良くなるにつれて、彼のSスイッチも入ってしまう。
「だから、今お前がどんな状態なのか、言ってみろよ」
「な…っ」
楽しそうに笑って、わざと唇を彼女の耳に付けて囁く。
「俺の前で裸になって、こんな脚広げてさ。それから名前のココ、どうなってんの?言わなきゃ続きしねぇけど」
「そ、んな…」
(言えるわけないじゃん…)
彼をチラリと見上げると、笑ってはいるが本気だ。この我が儘王子が妥協などするはずもないのだが。
赤面した顔を精一杯反らし、やっと小さく口を開く。
「指、挿れられて…いっぱい濡れて、ます…」
「あ?」
それでも彼は不服そうだ。彼女の顎を強引に自分の方へ向けて、ニッコリと微笑んだ。
「何?聞こえなかったから、もう1回」
「な…っ」
(鬼畜すぎる…!)
カァッと顔を赤くすると、その顔に彼が近づいてくる。
「早く言えよ」
彼女は消えそうな声でもう1度、それを呟いた。今度は少しだけ声を大きくして。すると、満足気に笑ってから、またナカで指を動かしはじめる。
「ふーん、『いっぱい濡れて』んだ?」
クチュクチュとわざと音を出すように動かし、その言葉を強調する。
「名前、聞こえる?」
さらに彼女を追い詰める。
「や、やだぁ…っ」
「嫌って口で言っても、もうこんなんだぜ?」
ししっ、と笑って指を引き抜く。そして愛液に塗れた指を彼女に見せて。その光景に彼女はゴクリと唾を飲み、秘部が彼を欲していることを改めて感じた。
「も、いいから…っ」
(早く頂戴よぉ…)
泣きそうな顔で彼を見上げる。
「何その顔。もう我慢できねぇの?」
「ん、欲し、い…」
「…ししっ、素直じゃん」
だんだんと素直になってきた彼女の頭を優しく撫でた。
「じゃあちゃんと、強請ってみ?」
「…っ」
彼の首に腕を回して、少しばかり躊躇いながらもその耳元でそっと囁いた。
「ベルの、頂戴…」
「ししっ、良い子」
ついに秘部にそれが入ってくる。でもそれも慣らすように焦らしながら。
「やだぁ…ベル、早く…っ」
「だって、慣らさねーと痛いのお前だよ?」
「いい、から…!」
ゆっくりゆっくり入ってくる。一気に挿れられるよりも、じわじわとされると犯されていく感触がリアルに伝わってくる。それからゆるゆると動きはじめ彼女は彼にしがみつくことしかできない。
「いつもみたいに、シてよ、ッ」
いつもはもっと彼女が壊れるのではないかというくらいに激しいくせに。彼はその言葉にニヤリと笑い、最奥をぐぐっと突き上げた。
「やらしい身体になっちまったな、姫。誰がこんなにしたんだよ?」
分かっているくせに、意地悪く笑う。
「ベルが、したんでしょ…っ」
赤くなった顔で彼をキッと睨むと、急に動きが激しくなる。
「ッきゃ、あぁっん!」
「名前んナカ気持ち良いー」
ぐりぐりと先端を押し付けられて、もう達しそうになる。
「ベルっ…も、無理…っ」
「じゃあ1回イッとけば?」
ぐいっと最後に一突きされ、とうとう身体を震わし、達してしまった。
「はぁっ、は…、」
彼女はまだ息が整わない。ぐったりとその場に力尽きたように転がった。
「ふ…、ベル、激しすぎ…っ」
「でももうそんくらいしなきゃ物足んねぇんだろ?」
そんなことを言って余裕な顔。その彼の姿にドキリと胸を鳴らしつつ、赤くなった顔を隠すように手で覆った。
「うるさい、ドSっ!」
「ししっ、そのドSが好きなのだーれだ?」
それから優しくキスをされる。甘くされたキスの余韻に浸っていると、彼は再び彼女の上へ乗ってきた。
「んじゃ、そろそろ良い?」
「…はっ?」
キョトンと彼を見上げれば、平然とした顔。
「だって俺、まだ満足してねぇし」
「ええぇ…」
(もう動けないよ…!)
そんな思いで彼を見つめても、効果はなし。
「2回戦開始ー」
「ちょっ、ベル…!ッん、」
やっぱり王子様には敵わない。
END
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今回は1番票数が多かった裏を書きました。裏を書くのは1番苦手なのですが、どうだったでしょうか?皆様のリクエストにできるだけそえるように、これからも頑張っていきたいと思います。これからもこういった企画をしていきたいと思いますので、これに懲りずにまたご希望をお聞かせ下されば幸いでございます。
いつも皆様に励まされ、すごく助かっています。感謝をしてもしきれませんが、この場をお借りして少しでも気持ちが伝わればと思います。少しでも皆様に楽しんでいただけたら幸いです。
2010.08.31
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