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いつものように彼の膝に座っていた。今日は何をすることもなく、暇だ。しかし彼が出掛けたがるわけもなく、ただソファに腰掛けている。テレビを見るわけでもない、たくさん話すわけでもない。2人の時間を楽しんでいたのだ。

「ねーザンザスー」
「あ?」
「暇ー」
「だから何だ」

とは言え暇だ。
彼女はすることもないので彼の頭を撫でる。撫ではじめれば彼は黙り、膝の上に乗った彼女を見上げる。いつも下を見下ろしてばかりの彼が、こうして頭を撫でられ上目遣いをするような形になってしまっているのが可笑しくて、彼女はクスッと笑ってからさらにわしゃわしゃと撫でる。それについにチッ、と舌打ちをすると、彼は不機嫌そうに目を閉じた。

「何なんだ」
「えへへー可愛い」

いつもなら可愛いと言えば怒られるのだが、今日は彼の機嫌が比較的良いようで、眉間に皺を寄せるだけだ。

「テメェ、カッ消すぞ」
「とか言って今日は怒んないね!」

嬉しくなってにやにやと笑う。そして頭を撫でていた手を脇腹へと下ろし、ツゥとなぞる。すると、彼はピクッと身体を動かした。

「…っ、」
「あれ、擽り効くの?」

彼女はますますニヤリと笑う。

「効かねぇよ」
「えーほんと?」

再びなぞると、やはり身体を動かす彼。しかしそれと比例してだんだん不機嫌になっていくのが分かる。

(すっごい面白いけど、そろそろ止めとこ…)

眉間に皺を寄せる彼に、笑いを堪えながらごめんね、と言って手を離した。

「でも暗殺部隊のボスが、擽り弱いなんて…」
「うるせぇ」

(あぁ…不機嫌になっちゃったかなぁ…)

そう思って彼を優しく抱き締めた。

「可愛い〜」
「もう黙れ」

ぎゅうぅ、と抱きしめていたのに、不意にそう言われ、ビクッとする。耳元に、直接息がかかるように言うから。それに気づいた彼は、今度はニヤリと口角を上げる。

「お前、耳弱いんだな」
「違っ、弱くないし…!」

否定をしたのに、彼は彼女の耳朶を甘く噛んでくる。すぐ彼から離れようとするのだが、今度は彼の方から抱きしめてくるので身動きがとれない。

「ちょ、ザンザス…、んっ」

トントンと肩を叩くが止めてくれる様子もない。それどころか、耳の中に舌を侵入させられた。

「んっ…!」
「ハッ、悦い声出るじゃねえか」

カァッと赤面しても、それは彼を悦ばせるだけだ。パッと顔を伏せ、それを中断させた。

「止めてよ、もう!」
「暇だって言っただろ」

(だからって虐めないでよ!)

言おうとしたが言わせてもらえなかった。舌で首筋をなぞられたから。
もう声を出すまいと下唇を噛む。それを察したようだが、まだ彼は止めてくれない。彼女の服を捲り上げると、慣れた手つきでブラを外してしまう。

「ちょっと!」
「何だよ」

何か悪いことをしたのかとでも言いたげな顔。どこまでも自分の気分次第な男だ。胸の輪郭をなぞるように舐めると、彼女はついに大人しくなる。と言うより、もう力が入らないのだろう。突起を口に含むと、彼女はピクリと身体を揺らす。

「ココも弱ぇか」
「……っ」

さらに手は下へと伸びていって、熱を持ったソコへと触れた。

「やっ、ザンザス…!」
「こっちも弱ぇな」

ニヤリと笑う顔はとても楽しげだ。
下着の上から秘部を押され、思わず声が出そうになり、口を塞ぐ。彼はそれにフッと笑い、ぐりぐりと花弁を刺激しはじめた。

「んっ、んー…っ」
「声、出すか我慢するかはっきりしろ」

彼女はただ首を振ることしかできない。執拗に下着の上から擦られ、ますます熱をもっていくソコ。彼は気づいているはずなのに止めず、それどころかさらに強弱をつけて触ってくる。ついにブルッと身体を震わせ達してしまった。

「ハッ、もう終いか」
「う、うるさぃ…っ」

恥ずかしさから声が小さくなり、目を逸らした。それから彼は愛液のついた指を舐めた。それは行為が終わるときの仕草で、今日はもう終わりだということを示している。

「え、ザンザス…」
「あ?」

(今日は最後までシてくれないの…?)

彼を見上げると、ニヤリと笑われる。

「物足りなさそうだな」
「えっ!?そんなこと、ないし…!」
「ハッ、強請ってみろよ」

(もしかして分かっててやってたの…!?)

口振りからしてそう思う。彼が意地悪く笑うに連れて彼女の顔は赤くなる。

「何て言えば良いの…っ」
「テメェで考えろ」

きゅ、と唇を噛む。そんな恥ずかしい言葉を彼女が口にすることは、普段なら考えられない。しかし先程の彼からの愛撫で火照った身体では、羞恥心もほんの少しだけ和らいだ。彼の背中に腕を回し、耳元で消えるような声で呟いた。

「欲しいよ…」
「今やったじゃねえか」
「ちが、くて…っ!」

彼はまだ素直にはいかない。彼女の声はますます小さくなっていく。

「足りない、から…」
「…上出来だ」

それに彼は満足気に笑うと、膝の上に座る彼女の脚を開かせ、自分を跨がせる。それから自身を宛がって、先端だけ入れて慣らすようにゆっくり挿入する。

「な、早くして、よ…!」
「そんなに我慢できねぇのか」

彼は彼女の腰を掴んで奥までどんどん挿れていく。ゆっくりされればされるほど、感触がリアルに伝わってくる。

「あっ、ザン、ザス…っ!」
「今日はテメェが動いてみろよ」

全て挿れ終えれば、腰からすぐに手を離し、ソファに凭れてしまう。

「うっ、そんな…!」
「早くしろ」
「……っ」

少し躊躇ったが、もう我慢できる状況でもない。ゆるゆると腰を動かしはじめた。

「…ん、…っ、」

自分のペースで探っていくが、なかなか大きい快感に出会わない。腰を動かしたまま、彼女は彼に視線を向けた。

「ふ、分かん、な…ッ」

今にも泣きそうな彼女を見て、彼はニヤリと口角を上げる。

「ドカスが。いつもちゃんと教えてるだろ」

それからグイッと、下から突いてやる。それはピンポイントで当たり、さらにソコをぐりぐりと腰を回すように動かされて、彼女はただ小さく声を漏らす。

「ん、ぁ…あ、あ…ぁ!」
「今度は覚えろ」

何度も下から突かれ、それと共にだんだんと絶頂が近づいていった。

「ザンザス…っ、もう、だめ、っ」
「早すぎだ、カス」

そう言われてももう止まらず、彼女はビクビクと身体を震わせた。









彼は彼女の弱いところを全て知り尽くしているのにも関わらず、彼女は何も知らない。次は彼の弱いところを明かしてやろうと彼女は思うのだが、実行される日は来なかった。




END

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今回はコメント付きで投票して下さった方のために書きました。皆様のリクエストにできるだけそえるように、これからも頑張っていきたいと思います。これからもこういった企画をしていきたいと思いますので、これに懲りずにまたご希望をお聞かせ下されば幸いでございます。

2010.09.18.
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