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「俺やっぱレンに何も勝ててねぇよ。お前をとられても文句言えねえ。お前のこと不安にさせて、一方的に怒鳴って、怖かったよな?」
「別にだいじょ、」
「大丈夫じゃねえんだよ。…でも、やっぱ譲る気もねえ。お前みたいなお姫様には王子様がいなきゃだめだろ」
「おひめ、さま…」
「そりゃあ、今はかっこつかねえんだけど、さ。いつかは龍也先生だって尊敬するような男に成長してやる。そしたら世界一かっこいい俺様の姫にするから、それまでは家来でいろ」

なかなか声が出ない彼女を置いて、彼はべらべらと捲し立てた。自信を取り戻したのか、その目には強い意志を感じられる。彼女は静かにこくんと頷いた。

「それから、命令だ。俺様以外の男のモンになろうとすんじゃねえぞ」
「、はい…っ」

彼女はふわりと笑顔をこぼす。彼は満足げに頷くと彼女の頭を優しく撫でた。今はまだ幼い少年だが、これから芸能界を背負って立つ男になるのだ、これくらいで凹んでいられない。

「それと、」

彼は彼女の手首をそっと引き、バランスを崩して体を倒す彼女の額に優しくキスをした。

「レンとは関わんなよ」

まだ子供だが、子供のままでもいいものだと彼女はぼんやり思った。




END

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リクエストくださったりかさまへ。やきもち翔ちゃん、やたら難しかったです…!上手くまとまっているでしょうか…(まとまっていないから字数オーバーになったのですが…)。管理人はまだまだお子様な翔ちゃんを愛して止みませんが、少しでも翔ちゃんの愛が伝われば嬉しいです。
今回は参加ありがとうございました。これに懲りず、これからもよろしくお願いします。
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