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『そう…なんだ……』
「悪ィな、どうしても避けらんねーんだ。なるべく早く帰ってくるからよ」
そう言って彼は出て行った。
今日は元々デートの約束をしていて、ようやく準備が出来たところで仕事が入ってしまった。
仕方がないのは百も承知だが、その感情はすぐには振りほどけなかった。
『仕事だもんね…』
今は一人きりになってしまったこの万事屋で、名前は冷蔵庫から独り言と同時にいちご牛乳を取り出した。
いつもは銀時が手にしているそれを見ていると妙に落ち着いた反面、ため息も出た。
約束をしていた分、余計に冷蔵庫に戻す作業も遅くなる。
夕方になっても帰ってこない。
時計の針をいつまでも追っていても変わらない。
『早く帰ってきてね…』
届かない声で呟いた。
―――――――――−-
「帰ったぞーっと」
肘をつき、うとうとし始めていた名前の耳に響く大きな声。
大好きな声。
「なんだー?帰ったってのに無視ですかー?」
『あっ、銀ちゃんおかえり!遅かっ……!!?』
銀時は立ち上がった名前の手を引き寄せた。
「悪ィ…待たせちまって。寂しかったろ?」
『うっ…ううんっ、そんな事ないよ…』
密着状態の中、伝わってくるのはお互いの温もり。
待ってたご褒美とでも言わんばかりに、名前の頬にそっと唇が触れる。
「代わりっちゃァ何だけど、これからいいとこ連れてってやるよ」
ひたすら名前の首元に沈めていた顔を上げて一言。
『…いいとこって?』
「いいから着いて来い」
『え…あのー…銀時さん…?』
静かにそびえ立つその建物。
何とも言えない妖艶な雰囲気。
交互に出入りする男女。
「なに?」
名前が連れて来られたのは、いや、大人しく着いて来たのがここ
『ラブホテル……?』
「ん、そうだけど」
『き、聞いてないよ…』
レストランかどこかへ食事でもしに連れて行ってくれるのだとばかり思っていた名前の足は、店の前で急に立ち止まり、銀時の着流しの袖を掴む。
「だってさ、うちでヤる訳にはいかねーじゃん?ガキが二人もいちゃ」
『そうだけど…』
「ちゃんと待っててくれた名前の為に、銀さん奮発しちゃうから」
袖を掴んでいた名前の手を握り、二人はようやく中に入った。
互いにシャワーを済ませ、裸のままベッドに並んで座る。
『銀ちゃん…』
「ん?」
『なんかここ、怖くない…?』
初めての場所と雰囲気にのまれてしまっている名前の頭を銀時は優しく撫でる。
「いつもよりちょっと暗ェだけだ。相手は俺なんだから怖くねーだろ?」
『う、うん…』
マニュアル通りとでも言うように、その沈黙のままゆっくりと身体を押し倒し、唇を重ねる。
「名前…」
『ん…ふぁ…ぁ…』
何度も角度を変え、徐々に激しくなっていくキス。
逃げる舌を追いかけ吸ったり絡め合うと、二人きりの部屋に水音が響く。
クチュ…クチュ…
『ぁ…ッ…んん…ッ』
名前が酸素を求めて顔を歪めると、二人の口元に隙間ができた。
どちらのものか解らない透明な線が、小さく開かれた名前の口から垂れる。
『銀ちゃん…もっとして?』
「俺もそのつもり」
だらしなく垂れたものを舐めとり、再び口内を犯していく。
頬に当てられていた銀時の手は、するすると名前の身体を愛撫しながら一際主張している突起にたどり着いた。
『んッ…』
違った感触に刺激され、思わず身体がピクンと反応してしまう。
「キスだけで勃ってんじゃん」
『銀ちゃん…上手いんだもん…』
だんだんと顔が紅潮していく。
「じゃあこっちも」
指で器用に突起を転がし、時々摘む。
『ん…ッぁ…』
胸を愛撫されながらも、更に水音が大きくなるキスが繰り返された。
『ふぁ…ぁッ…はぁ…』
「ん……ッ」
胸ばかり弄られていたせいか、名前は自然に足を擦り合わせる。
それを察した銀時の手は更に下へと降りていく。
『ん……』
「足、開いて」
太ももから秘部へ、触れるか触れないかくらいで手を滑らせて焦らす。
『ぎ…ちゃぁん…ッ』
「わーってるって。…うわ、すげーびちょびちょ」
『……ッ』
素直に開いた足を掴み、円を描くように割れ目をなぞる。
ぷっくりと膨らんだ蕾を弄ると、既にそこからはシーツを濡らすほどの愛液で溢れていた。
『…あぁッ…ぁッ…』
「こんだけ濡れてりゃすぐ入るな…っとその前に、」
未だ慣れない、普段見られないような所を見られるという事に名前は羞恥を隠しきれないでいた。
両手で顔を隠していたのも束の間、
『ひぁ…ッ!』
温かい感触が一気に中に広がった。
「一回指でイっとく?」
初めはゆっくりと、だんだん名前の身体が反応してきた所でピストンを速める。
『ぁッあぁん…ッん…ぁッ』
今の名前では2本が限界だったが、それでも十分すぎるほど身体は感じていた。
奥で掻き回してやると、一層官能的な声が上がる。
「名前…」
銀時は手の動きは休める事なく、名前の頭を抱え込むようにしてキスをした。
『んん…ッはぁ…ぁッ』
「んッ…名前…」
下からは、ピチャピチャとより二人を誘う音が響く。
『ぁッ…銀ちゃん…、イっちゃ…ッ!あぁッ、あぁあッ!!』
名前が果てると同時に指の動きをやめ、抜く。
中からは依然として溢れ出して、銀時の指に絡み付く名前の愛液をぺろりと舐める。
「気持ちよかった?」
『ん…』
頭を抱え込んだ体勢のまま耳元で問うと、名前はコクリと頷いた。
耳にチュッとリップ音を立てて離れると、今度は大きくなった銀時の自身を名前の秘部に宛がった。
「挿れるぞ…?」
『う、ん…』
そこはすっかり滑りもよくなっていて、愛液を絡めながら簡単に自身を咥え込んでいく。
『ん…ッんん…ッ』
銀時の腰の動きに合わせて自然に自分の腰も動く度に、音が重なり合う。
『銀ちゃ…大好き…あぁッ…』
「俺の大好きの方がでけーよ…」
次第に大きくなる荒い息と共に、二人は深く結ばれた部分が熱くなっていくのを感じた。
顔を背け目をギュッと閉じる名前の身体に力が入る。
『また…イっちゃ…うッ!』
「俺もそろそろ…」
『はぁ…ッ、んぁッ…あッああぁッ!!』
ピンと伸びる足。
名前の中でドクドクと脈を打つ銀時の白い欲。
かろうじて意識があるのか、名前は肩で息をする。
『銀ちゃん…気持ち良かったよ、ありがと…』
「どう致しまして」
『デートの代わりだけど、…デートより良かったかも…』
「だろ?名前ならそう言うと思ってたんだよ俺」
疲れたけど、とボソッと言いながら自身を抜き、寝そべる銀時に名前は抱き着く。
そのまま二人は眠りについた。
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