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「じゃあ、行ってくるわね〜」
「うん、行ってらっしゃい!」

今日も任務が入っている人達を見送った。
最近は大きな仕事が入ってしまったようで、いつも外へ出ないボスは勿論、先日の任務で足を捻ってしまった名前を除いては全員任務なのだ。

「あ、でも今日はベルも非番かぁ」

昨日予想以上の活躍っぷりを発揮した彼とその場にいた一部の隊員のみ、今日の任務の分まで終わらせてしまったため非番になったのだ。
彼女は隊員を見送った後、呼ばれていたザンザスの部屋へと足を運んだ。




(( お留守番 ))




―コンコン。

「ボスー?」
「入れ」

今日は珍しく起きていたようで、すぐに返事がくる。ガチャ、とドアを開けて入ると、相変わらず足を机に乗せ、背もたれに身体を預けているザンザスが見える。近くへ行くと、彼女は小首を傾げて見せた。

「どうしたんですか?」
「どうせ暇だろ。少し手伝え」
「え?あ、はぁ…」

ザンザスがチラリと視線を投げたのは書類の山。任務の数だけ報告書があるのだから、当然なのだが。

「これに、何を…?」
「一通り目を通してサインするだけだ。ただ問題あるやつと重要なことが書いてあるのは俺に言え」
「……」

(そんな面倒なこと…)

彼女は心の中でため息をついた。
早速その辺のソファに座り、書類を読み始める。

(これレヴィかな…筆圧強すぎでしょ)

全てイタリア語で書いてあるため、少々時間が掛かる。話すことは簡単なのだが、文字にするのは未だ少し慣れないのだ。なかなか苦戦している彼女を見て、ザンザスは席を立つ。そしてデスクからわざわざ彼女の向かいのソファへと移動した。

「ボス…?」
「分かんねぇことあったら聞け」
「……!」

(明日雪でも降るのかな…)

彼女は少し口元を緩め、また書類へと目を戻した。



それからドアがノックされたのは40分後のこと。
2回軽くノックをしたら、返事をしない間にドアが開かれる。

「ボスと名前、いるー?」
「いるよー?」

入ってきたのは、薄々予想はしていたがやはりベル。気怠そうな足取りでこちらにくると、彼女の隣へ座って書類を覗き込む。

「お、頑張ってんじゃん。ボスもお疲れー」
「…テメェ、何でいるんだ?」

それに彼女は首を傾げ、ベルは得意げに笑う。

「俺んとこは昨日のうちに終わらせたから、今日非番。ボス、聞いてなかった?」
「………」

ザンザスはあからさまに顔を顰め、軽い舌打ちをする。完全に今日は2人っきりだと思っていたのだろう。先程までの空間を壊された挙げ句彼女の隣まで占領されて、苛々しないわけがない。ザンザスが一瞬にして不機嫌になったのが、彼女にも分かってしまった。

「ボス…、お茶でも入れてきましょうか」
「あぁ」

席を立つと、ベルは小首を傾げてみせる。

「俺も行くぜ」
「え、大丈夫だよ?」

焦る彼女はザンザスをチラリと盗み見た。彼は案の定、黒いオーラを放ちながら、腕を組んでいる。そんな彼に気付きながらも、ベルはにやにやと笑って彼女の肩を優しく抱いた。

「いいって。お前1人より俺がいた方が早ぇだろ」
「え、うん、まぁ…」
「じゃあ行ってくるな、ボス」

返事はない。
彼女は怖くてそちらが見れなかった。ベルに押されながら、その部屋を後にした。






今日はルッスーリアがいないため、本当に自分でお茶をいれなければならない。

「どれが良いかなー…あ、これにしよ」

彼女が1人で準備をしているというのに、彼はテーブルに寄り掛かり彼女を見ているだけだ。

「ちょっと、手伝いにきてくれたんじゃないの?」
「は?王子が手伝うわけねぇだろ」
「はぁ…もう、」

コポコポとお湯を入れ、ため息をつく。

「だったら大人しくして、ボスを怒らせないでよ…」

ピクリ、と反応し、彼は面白くないかのように口を尖らせた。

「何、ボスのこと好きなの?」
「そうじゃなくて…帰ってきたときスクが可哀相でしょ」

八つ当たりされるのはいつもスクなんだから、と言いながら、カップにお茶を注ぐ。彼はそっと後ろから歩み寄り、彼女をぎゅうと抱きしめた。刹那、彼女が手を止める。

「…どうしたの、ベル?」
「他の男の話すんな」
「え?」

彼の唇が彼女の耳元にそっと触れた。

「俺だけ見てろよ、名前」
「な…、」

顔が赤くなってきたのが自分でも分かる。

「何、急に…!」
「ずっと我慢してたんだよ、ばーか…」

切なげに囁かれ、耳元にちゅ、とキスをされる。

「ッん…、ちょ、ちょっとベル…っ」
「俺だけ見てろ」

お腹へぎゅうと回されていた手が徐々に緩まり、それが別の場所へ移動する。
左手が双丘を掴み、彼女はビクッと身体を揺らした。

「や、やだやだ、ベル…!」
「そーゆーこと言われると、虐めたくなるんだよな」

大体王子を拒むとかありえねーだろ、と笑うと、右手はもっと下の方へ。
突然、服の上からなのに強い刺激を与えられた。右手がやっとソコへ辿り着いたのだ。

「ひゃ、あ、やめ、」
「止めねぇって」

ぐい、ぐい、と定期的にくる刺激。さらに左手では突起を捜し当て優しくそれをなぞっている。だんだんと足が震えてきて、腰が砕けそうになるが、彼女の足の間に彼が足を割り込ませて支えているため、何とか体勢を保っていた。
彼が愛撫を続けると、秘部からじんわりと愛液が染み出てきたのが分かった。

「ベ、ル…おねが、」
「何でだよ」

彼女は羞恥で目に涙をためていた。

「恥ずかしくて、死にそうなの…」
「…ばかじゃねぇの、お前」

ふと彼が彼女から手を離した。やっと止めてくれたのか、と安心したのだが、とんでもない。
彼女をひょいと抱き上げると、テーブルの上にドサリと降ろす。驚いて彼を見上げてみれば、案の定黒い笑み。

「そーゆーの、煽ってるとしか思えねぇ」
「っ、ち、ちが…」

彼は彼女の脚をグイッと開くと、器用に下着を脱がせてしまう。多少の抵抗は彼にとって何でもないということだ。

「ベル、待ってよ!」
「だーめ。俺今最高に機嫌良いから」

妖しく微笑んで見せてから彼女の脚の間へ舌を這わす。

「きゃ、ん…、やっぁ」
「嫌がってても身体は素直、ってやつ?」

陰核にちゅう、と吸い付けば、彼女の身体がピクンと跳ねた。

「あ、あ…」
「何、ココが良いわけ?」

口の中に含まれ、かぷりと甘く噛まれる。熱い舌で何度も何度もなぞられて。

「だ、め…、ベル、ベル…!」
「限界?まだ早ぇだろ」

そうは言っても、彼の愛撫は一層激しくなるだけだ。くちゅりと卑猥な音を響かせ、彼女をますます煽っていく。

「あっ、んんん…ッ、」

ドクン、と痙攣し、それから彼女はぐたっと身体から力を抜いた。

「はぁっ、は、も、最悪…っ」
「何、気持ち良かっただろ」
「……変な声出たし、身体見られたもん…」
「……!」

彼は微かに口角を上げた。

「それ、煽るだけって言っただろ」

彼女の顔のすぐ横にギシ、と腕をつく。

「え…、ベル?」
「最後まで付き合ってもらうぜ」

スイッチ入れたのはお前だからな、と言って、不敵な笑み。

「ちょ、ちょっと待ってよ…うそっ」









ザンザスは1人、自室にいた。

「…遅ぇ」

その理由が何となく分かってしまっていて、拳に力がこもる。


それからというもの、ベルには当分任務だらけの日々が続いた。




END

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キリ番リクくださった優香理様、ありがとうございました!どちらかと、というリクエストだったので、何となく動かしやすいベルにしました。ザンザスだったら部屋から出そうにありませんしね(笑)これからも頑張っていくので、よろしくお願いします。
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