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彼の、さりげない仕草の1つ1つが好きだ。
例えば、部下の前でちょっと頑張っちゃうところ。部下がいないとすぐドジやってリボーンに弄られるところ。でも2人っきりになるとかっこいいモードに切り替わるところ。ネクタイを外すところ、疲れている時に見せる目付きが少し色っぽいところ。
上げ出したらきりがないが、1番好きなのは後ろから抱き着かれている時だ。




(( 好きなとき ))




今日もいつも通り仕事から帰ってくる。

「おかえり、ディーノ!」

「お、ただいま。来てたのか」

ポンポンと彼女の頭を撫でる彼は、またネクタイを外しながら部屋へ入ってきた。

「あれ、今日は仕事?」

スーツ姿の彼を見て、咄嗟に首を傾げる。

「失礼な奴だな、仕事は毎日してるよ」

「あ、違っ、そうじゃなくってね、」

「あーもういいもういい」

そのまま彼はボスンとソファに身を沈める。そしていつものように足を開き、その間をポンポンと叩いてから手を広げた。

「おいで」

この瞬間がとても好き。
彼に駆け寄り、その足の間にちょこんと座る。そして、後ろからぎゅう、と。その腕に包まれると、彼の香りとか温かさとか、いっぱい伝わってくる。

「あー癒される…」

彼女を抱き締めながらそう呟き、さらにその腕に力を込めた。
いっぱい、いっぱい。
少し苦しいくらいの力で抱きしめられると、どれだけ想われているのかなども伝わってくる。
こんな時、無性に伝えたくなる言葉。

「…ディーノ、好き」

「あぁ、俺も」

それから耳に口づけられる。

「すげー好き」

少し低くてゾクッとする声。耳元で囁いてから、彼はクスッと笑った。

「そんなんじゃ言い表せねーけどな」

少し恥ずかしそうにはにかむ姿。

(やっぱりそんなとこも、堪らなく好き…)

彼女は彼に抱かれながら、顔だけ彼の方へ向けてその頬へキスをした。




END

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キリ番リク下さった橘様、ありがとうございました!何だかすごい甘いだけになりました…。オチがないとかつっこまれると痛いのですが、甘くはできたのかな…なんて(笑)これからも頑張っていくので、よろしくお願いします。
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