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1度は触ってみたくなる、その綺麗な髪。風が吹く度微かになびいて、サラリとしていそうな…。
(やっぱり触ってみよ…)
手を伸ばして届く距離。スルッ、と指を通してみれば彼はビクリと肩を上げた。
(( 除け者 ))
「、ゔぉぉい…!」
(うわ、やっぱサラサラ…)
彼女の急な行動に、スクアーロは何も言えずに頬を色付かせる。また、彼女の隣に座っているディーノでさえ、ポカンと口を開けて驚いていた。くしゃくしゃと撫でてみたり、手ぐしで梳かしたり。スクアーロの長い髪の柔らかさやサラサラ加減を十分に堪能していると、ついにスクアーロが口を開く。
「な、何なんだよぉ…!」
「え?あ、いや、触ってみたいなーって」
「だからってなぁ…、」
「良いでしょ、別に」
「ゔぉぉ…」
否定しない辺り、満更でもないようだ。毛先をクルンと指に巻いてみてもすぐ解ける。本当にストレートで綺麗な髪だ。
暫く撫でて触れ続けていると、スクアーロは彼女の手の心地好さからうとうとと瞬きをしはじめる。それに気づいた彼女はニヤリと笑ってから、彼の髪を思いっ切り掴んで引っ張った。
―グンッ
「ッ痛ってぇ…?!」
そうすれば案の定スクアーロは涙目になり、髪を押さえて彼女を睨んだ。
「何しやがんだぁ!!」
「別にー。引っ張ってみたいなーって」
「ダメに決まってんだろぉ!」
大声を上げるスクアーロをケラケラ笑い、彼女はディーノに目をやった。
「スクって弄りがいあるよね」
「…あぁ」
「…ディーノ?」
全然面白くなさそうな顔、声。彼女はキョトンと首を傾げた。
「どうしたの?」
「…俺、もう帰る」
「え、ちょっとディーノ…!」
部屋を出ていこうとした彼に彼女は焦って呼び止める。
「何、どうしたの?!」
「うるせぇ…」
それでも立ち上がってしまった彼はとうとうドアに向かって歩きはじめる。
「もうディーノ…、妬いちゃったわけ?」
(なーんて…)
彼女は冗談半分に言ってはクスッと笑う。不意をつかれたディーノとスクアーロは一瞬固まったが…、
「…悪ぃかよ」
ぶすっと口を尖らせた。そんな言葉に1番顔を赤くさせたのは、言った本人である。
「うそ…、ディーノ、」
「うるせぇよ。…狭い男で悪かったな」
そのぶっきらぼうな言い方にきゅうう、と胸が締め付けられた彼女は口元を緩めながら彼に駆け寄り、抱き着いた。
「あはは、ディーノ可愛いーっ」
「う、うるせぇ、可愛いとか言ってんな…!」
カァッと赤面する彼は本当に可愛くて。
「ゔぉぉい、俺は邪魔者かよぉ!」
そう言って気を利かせたスクアーロが出ていったのを確認すると、お互いクスッと笑い合って再び抱き合った。
END
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雛ちゃんへ!とりあえずスクの髪サラサラすることに必死だったので(←すごく触りたかった)、ディーノさんの出番が…そしてかっこよさのカケラもない可愛いネタ…謝罪の言葉しかでません…!(笑)
でも良かったらまたしてくださいね。ありがとうございました。
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