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※学パロ




放課後は戦争だ。本当なら恋人同士手を繋いで仲良く下校するリア充組へ混ざりたいところだが、彼等生徒会役員はそうもいかない。仕事なんか山積みだ。しかし本当に恐ろしいものは、もっと喧しい――…




(( 放課後戦争 ))




「鬼男くんは私のーっ」
「だーめ、俺のだもん!その手離してーっ!」
「やぁぁだぁぁあ!!会長が離してーっ」

イラッと片眉をつりあげる。自分はこんなに集中して書類をまとめているのに、閻魔と名前は何故自分に付き纏うのか。仕事に戻ってほしい。もしそれがだめならば、せめて静かにしてほしいのに。

「引っ張るな」

かりかりと書類のメモをしながら冷たく言い放つと2人はぱちくりと見合わせた後、いつものあの反応。

「「かぁっこいい〜〜っ!!!!」」

何だか脱力する。どう注意すれば良いのだろうか。いい加減苛々してきて騒ぐ2人を鋭く睨んだ。できるだけ怒りが伝わる声のトーンを意識して。

「いい加減にしろ」

冷めた言葉に2人はビクッと肩を上げた。先程まで真っ赤だった顔も今ではサァッと青くなっている。

「会長は早く仕事に戻ってください。次の生徒総会へ使う資料のデータもチェックしてくださいね」
「は、はい」

キッと鋭い視線に閻魔は思わず敬語。閻魔が会長席へ戻ったのを確認してから彼は名前に視線を向ける。

「…なんて顔ですか」
「う…鬼男くん…」

不安でいっぱいになった泣きそうな顔。涙いっぱいの目で彼を見上げている。

「怒ったぁ…?」
「………」

確かにさっきまでは怒っていた。しかしそんな顔を見せられたら。

「あなたは何でそうなんですか…」

彼女の頬を両手で包み、瞼にキスを落としてやる。

「僕があなたに怒れるとでも?」
「ふ、ぇ…?」

安心したのかますます瞳を潤す彼女にギョッとする。

「な、何で泣いっ…」
「鬼男くんは、私のだよねぇ…?」

じっと見上げられるとどきりとする。少し拗ねているようにも見える彼女が可愛くて。

「…当たり前、だろ」

そっと彼女を引き寄せ、腰を屈めた。顔を近付けるといつものように彼女が目を閉じて……

「ッあーー!!何してんの2人とも!!!」

台なしだ。せっかくあと少しでキスができたのに閻魔によっておじゃんだ。ギリリと奥歯を噛み恨めしそうなそちらを向くと、閻魔はもう書類を放って面白いものを見付けた子供のような顔でこちらへきた。

「ちょっと名前ちゃん、俺の鬼男くんに何してんの!」
「っ、私のですってば!」
「俺等のが付き合い長いもん!」
「だってさっき私のだって鬼男くん言ってたもん!」

(なっ…!)

思わずバッと手で彼女の口を押さえる。よくそんな恥ずかしいことを閻魔に言えるな、と少し感心するレベルだ。案の定閻魔はにやにやしている。

「へぇ?」

その笑顔の裏の意味を分かっていない彼女は鬼男へ笑いかけた。

「会長、分かってくれたぁ」
「…ばーか」

本日2度目の脱力。また今後このネタでいじられるんだろうな、と思えば少し憂鬱だ。放課後の戦争は、きっと終わりがないんだと思う。




END

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何も企んでなさそうに見えて全て計算通りな閻魔とか萌えます。鬼男くんが主に手を出そうとするところをいつも乱入してたら可愛いなあって思ってたら自然と出てきたネタ。ちなみにこの後、主がいないところで閻魔に「名前だけの俺だから…とか言ったの?」みたいにぐいぐい聞かれて鬼男くんが赤面してたらいいなあ、と(笑)
名前様、お付き合いありがとうございました。

20120203
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