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※学パロ




冬が近付き、だんだん寒くなってくるこの時期。完全な冬ではないので手袋やマフラーは未だ使用しておらず、でもしないと寒くて落ち着かない。

(この季節、結構好きなんだよな…)

鬼男はポケットに手を突っ込みながら天を仰いだ。最近曇り空が続き、また今日も曇り空だ。気温が上がらずに一層冷え込んでくる。
こんな時、寒がりの彼女は…。




(( 寒い季節 ))




「鬼男くん、おはよう!」
「あぁ、おはよう。今朝は早いんだな」
「すみませんね、いつも寝坊ばっかで」

唇を尖らせながら言う彼女は、やはり手を擦っている。

「寒い?」
「うん…もう冬は嫌いだよ」
「今からそんなこと言っててどうすんだよ」

そう言いながらも、今まで彼女の為に温めていた手を差し出す。両手をぎゅう、と握ってやると、ぱあっと目を輝かせた。

「すっごい…!鬼男くん、手ぇあったかいね!」
「そう?ポケットの中があったかいから」

入れる?と問い掛けると、彼女は勢い良く頷いた。片方だけ入れるのかと思えば、彼女は彼の後ろに回ってから 抱き着くように腕を回してポケットに両手を入れた。

「ちょ…っ、名前?!」
「何ー?これ、すっごいあったかいね!」

別に彼女のポケットとも変わらないだろうに、ぎゅう、と抱き着きながらそれで学校へ行こうとする。

「さて鬼男くん、遅刻しちゃうから行こっか」
「えっ、ちょっと待って、これで行くの?!」
「うん」

当たり前でしょ、とでも言い出しそうだ。彼は彼女にストップをかけて、自分から少し離れさせた。

「だったら学ラン貸してやるから!」
「え、いいよ、大丈夫!じゃあ我慢するからっ」

学ランを脱ごうとした彼にブンブンと手を振ると、彼は少し目を細めた。

「じゃあ、こうすれば良い?」

彼女の右手を自分の左手と繋ぎ、自分のポケットへと導く。彼女は少し不満そうにまた唇を尖らせた。

「左手が寒い…」
「そっちは自分のポケットに入れろよ」

呆れたように言うと、彼女は直ぐにポケットに手を突っ込んだ。こんなやり取りや仕草に、彼は微かに口元を緩ませる。

(やっぱ好きなんだよな、この季節…)




END

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完全に冬になったら手袋を半分こするかお揃いの手袋してたら可愛いですね。名前様、お付き合いありがとうございました。

20111016
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