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※現パロ




ガチャ、とドアが開く音がした後、パタパタと走ってくる音。グツグツと鳴る鍋を掻き混ぜていると、後ろからぎゅうと抱き着かれた。




(( ノーハンバーグ ))




「ただいま!」
「あ、おかえり」

にこ、と笑ってみせると、彼の目は光る。

「お腹空いた!ハンバーグ?!」
「え、いや、ハンバーグじゃないけど」
「…ハンバーグじゃないの?」
「うん、ごめん」
「………。ノーハンバーグ?!」
「もういいよ、そのくだり」

毎日のようにその会話が繰り返される。どんだけハンバーグ好きなの、とツッコむのも飽きたくらいだ。

「じゃあ今日は何ー?」
「カレーだよ。コロちゃん好きでしょ?」
「やった、カレー大好き!」

毎日ノーハンバーグかと嘆く彼も、結局ほとんどのものが大好物で全く支障はない。

「もうすぐできるから待っててね」
「うん!」

言われるとすぐに、席についてスプーンを握った。








食べ終わってから皿を洗っていると、また後ろから抱き締められた。

「ねー暇なんだけど」
「もう…コロちゃんって我が儘だよね」

口は動かすものの、手は止めない。

「何でさー」
「だって、私が何かしてるといつもそう言ってくるじゃん」
「え、そう?」

ぎゅう、とさらに力が篭る。

「だって、名前が俺以外のことに集中してるのは嫌なのー!」
「ばか、何お皿洗いに妬いてんの」

呆れ顔で振り向けば、にやにやと笑う彼。

「まあ、夜は俺のこと以外考えられなくしてやるけどさ」
「っ、ばか!!」

彼はゆっくりと、彼女のエプロンの紐を解いた。




END

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コロちゃんはマイナーでしょうか。しかし可愛くてたまりません。自給自足です。名前様、お付き合いありがとうございました。

20111001
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