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基本的にいつも一緒に任務に行くので、今回のように別々になることは珍しかった。だから彼女はきっと寂しがっているのだろう、と思って早く帰ってきたのに。




(( 電話相手に ))




彼女の部屋へ行くと、中から楽しげな声がした。誰かと話しているのだろうが、折角彼女の為に早々と任務を切り上げてきてやったのに何故自分が待たなければならないのだと、躊躇いもなくドアを開ける。

―カチャ

いつもよりほんの少し静かに入ったのは彼なりの配慮。彼女は彼に気付き、にこっと笑って見せる。電話で話していたらしく未だ話しながら彼へ手を振るもんだからあからさまに眉を顰めてしまった。

(俺を邪魔扱いとかいい度胸じゃん?)

ベッドに軽く腰掛けている彼女の許へ行き、後ろへ座る。それから彼女がいつも甘えてくる様に後ろからぎゅうと抱き着き、彼女の頭に顎を乗せた。自分の胸にすっぽり収まってしまう彼女に少し目を細めて。

「だから、それは違うんだって!」

彼女は彼がお腹へ回した腕を握り向こう側にいる相手へ笑いかける。それだけでも苛々するというのに。

『違うわけねぇだろ、こっちには証拠があんだよ』
「なっ、見付かったらどうすんの!早く消してよ!」
『あ?んな面白いもん誰が消すかよ。しかもその発言、もう認めたってことだな』
「違…っ」

どうやら電話の相手は男のようだ。彼はますます苛々と口角を上げた。

(何の話してんだよ、こいつ等…)

しかし早く切れだなんて子供っぽいことも言いたくない。面白くない彼は、彼女の服の裾から右手を忍び込ませた。

「なっ、」
「続けろよ」

外から帰ってきたベルの手は相当冷たい。それに驚き肩を上げた彼女に、彼は不機嫌そうに呟いた。刹那、すかさず相手の声。

『どうかしたか?』
「えっ、ううん、何でもない!」

無理に声を明るくする、それすら気に食わない。
次に彼女の項をゆっくりと舐め上げた。下から上へ優しく舌を這わせると、彼女から吐息が漏れる。耳にキスを落とし、さらに甘く耳朶を噛んだ。

「ん、ゃ…」

小さく漏らすのは、電話の相手に聞こえないようにだろう。服の中に侵入させてあった手も上へ持っていき、緩く胸に触れた。

「あ、っ」
「声我慢しねぇと聞こえるぜ?」

突起を探すように指で弄り、探し当てたそれをいつもよりきつく摘む。

「やっ、あ…だめ、」
「ほら、早く話してろよ」

耳朶を噛みながら、鼓膜に直に響かせるように囁けば、もう耐え切れないと言うような切なげな声を上げた。これ以上電話をしているのは無理だと悟ったのか、震える手で電話を口元まで持ち上げる。

「ご、ごめん、あの…用事、が、入っちゃった、から、また電話、する…」
『あ、あぁ…分かった』

吐息を漏らしながら途切れ途切れに言う彼女にますます加虐心が煽られ、くりくりと胸の飾りを押し潰しながら、左の指は彼女の口の中へ突っ込んだ。

「あッんぅ…、ん、」

甘く漏れた声を最後に電話は切られた。瞳が潤んだ彼女は、力無くこちらを振り返って睨む。

「んん、」
「ししっ、何?」

しかし彼女の口の中にはベルの指が入っているので話せない。抜いてくれと言うように首をふるふる振って見せるが効果は無く。

「何、そんなに悦かったかよ?我慢するのって燃えるタイプ?」

にやにやと笑えば顔を真っ赤にして首を振る。そして離せと目で訴えてくるのだが。

(俺以外の奴と話すなんてありえねー)

お仕置きだな、と笑って、ベルはそのまま彼女を押し倒した。




END

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この後「あーあ、あれ完全にバレたぜ」なんて主人公を困らせるように言ってたらいいと思います。電話相手も気づいててその後もやもやしたらもっといいと思います。名前様、お付き合いありがとうございました。

20111015
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