(1/1)




「なぁ、名前。何か俺に謝ることあるよな?」
「……え?」

彼は彼女の部屋を訪れるなり、そう彼女に問い詰めた。時間帯からして任務帰りということは分かるのだが、顔や服に返り血を浴びて笑っている彼を見て、彼女は何かを悟ったように顔を青くした。

「わ…わたし、」
「何?」
「何もしてな…、」
「…ふーん?」

彼はさも興味無さげに呟くと、やっと頬にこびりついていた血を袖で拭った。

「なぁ名前、これ 誰の血だと思う?」
「え?…え?」

彼女は目を見開き、ハッと息を飲む。

「そうそう、分かってんじゃん」

彼はししっ、と笑って見せると、彼女を強く押し倒した。




(( 浮気をしたら ))




風呂で返り血を全て流してさっぱりした彼は、少し上機嫌で鼻歌なんか歌っている。まだ濡れた髪をタオルで拭きながら、彼女を眺めながら満面の笑み。

ヴヴヴヴヴヴヴッ…

「あっ、やだあぁっ!!ベ、ル…ッまた…っあああッ!!!」
「ししっ、やーらし。これで何回目だよ?」

ビクビクと身体を痙攣させて達した彼女を嘲笑いながら、彼は呑気にまだ髪を拭いていた。

「取って、よ、これ…っあ、あぁッ」
「んー?ヤだね」
「お、ねが…ひゃ、ああああっ!」

彼女は今とても酷い格好を強いられていた。ソファの上で手首を背後で縛られ、秘部にはバイブを突っ込まれて。それだけでも恥ずかしいのに、彼はそれを凝視するもんだから堪ったものではない。自分のナカで動き回る玩具を取ってほしくて、彼女は必死に懇願した。しかし彼は聞く耳を持たず、ニヤニヤと笑うだけで。

「だって、名前は気持ち良かったら何でも良いんだろ?」

彼は最高の笑顔のまま、バイブのスイッチを強に上げた。


何故彼がこんなに怒っているのかは、彼女が1番よく分かっていた。理由は簡単、彼以外の男と寝たからだ。別にその男のことが好きだった、というわけでもなく、ただ酒の勢いで寝てしまっただけである。彼女はそのことをひどく反省していたし、その男とも今後こういった事がないように、と2人で言っていた。しかし、それが彼にバレてしまったらしい。その証拠に、彼は彼女が抱かれて直ぐそいつを殺ってしまったからだ。


彼は先程からニコニコと満面の笑みで彼女に笑いかけていた。しかしそれが怖くて仕方がない。笑顔のときの彼は何を考えているのか全く読み取れないからである。
もう何度達したか分からないが、その周辺の床は彼女の愛液で濡れてグシャグシャだった。そんな彼女に静かに近付くと、秘部から乱暴にソレを抜き取った。

「や、あ…っ」

そんな些細な刺激でも甘い声が漏れてしまう。

「すっげー濡れてる。ほんと淫乱だよな、お前」
「っ、ち、が…!」
「何が?嫌だって言いながら、自分からすげー腰振ってんじゃん」
「……っ!」

悔しくて下唇を噛む。好きなのは彼なのに、浮気したと誤解されている。確かに他の男に抱かれたのは事実だが、気持ちがあったわけではない。それなのに、この仕打ち。

(ベルはきっと、私のこと嫌いになったんだよね…)

そう思うとキュウ、と胸が苦しくなり、視界が涙で揺らいだ。

「なぁ、お前さ、何回もイキまくったらしいじゃん。そんなにあいつのヨかったわけ?」
「…?!誰から聞いて、」
「質問に答えろよ」

彼は笑顔のままなのだが声のトーンは1オクターブ低い。それならいっそ怒鳴ってくれた方が安心するというものなのに。

「そんなの覚えてな…、」
「俺のとどっちがイイ?」

そう問うと彼女に答える隙も与えず、彼女の脚を広げて秘部に自分のソレを宛がった。

「っや、あ…っ」
「すっげー柔らけー。慣らさないですんなり挿ったし」

何度も達したせいか彼女は感度が高まっていて、彼のを全て収めるだけでももう限界だった。

「ベ、ベル…っ、もう、イッちゃ…っ」
「我慢してろよ」

彼は愉しそうに笑ってから、ゆっくりと動き出す。耐えろと言われて耐えられるような刺激ではなくて、そもそも彼にそういう身体にされてしまっていたのだから仕方ない。彼女は背中を反らし再び達した。

「…は?何勝手イッてんの?」

しかし彼はそれを良く思わない。自分の言い付けを守らなかった為か、かなり不機嫌になった。

「ムカつく。もう壊してやる」
「っ、え?!ちょっと、やあ…っ!」

彼は自身を引き抜くと、彼女の身体を反回転させ、再びソコへ沈める。今度はバックからの挿入のため、かなり深くまで突けるのだ。

「気絶、すんなよ」
「えっ、だめ ベルっ!あっ、ああっ、やめ、てぇ…っ!!」

それからかなりのスピードで奥を突かれ、たまに子宮口付近を抉るように触れられる。もう頭がクラクラしてきて、酸素を取り込むことも忘れて喘いでいた。







彼が気絶するなと言ったのに、案の定気絶してしまった彼女にため息をつきながら、彼は両手首を纏めていた紐を外してやり、彼女の頭を優しく撫でた。

「名前は、俺のモンだから…」

そして、彼女の首に他の男除けの為だと言わんばかりに優しくキスマークを付けた。




END

--------------------

浮気なんかされたら殺しちゃおうともしたけど、実は酒の勢いだって知っていた王子。やっぱり大好きだから渋々許してしまうという感じですかね。名前様、お付き合いありがとうございました。

20110926
(  )

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -