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彼女の手の中には、ジョーカーが1枚。
「……何これ…」
「ししっ、名前の負けだー」
「ちゃんと約束守って下さいよー」
「え?」
ベルとフランがニヤニヤと笑う中、彼女はピシリと固まりフリーズする。
「え?」
もう1度聞き返した。スクアーロに助けを求めようと視線をやると、スクアーロはこちらを見ずに下を向いて黙って震えている。
(こいつ…っ、笑ってるし!)
恨めしそうに睨んでいれば、フランはニッコリしながら“それ”を差し出してくる。
「さ、センパイー?」
「やっ…やだやだ!」
「おい名前、罰ゲームだろ?」
「だって…っ」
(負けるなんて思わなかったもん…ババ抜きなんかで!)
差し出された“それ”を見つめながら首を横に振りまくる彼女を、ベルは笑いながら後ろから抱きしめ、耳元で囁いた。
「抵抗とか生意気なんだよ。殺されたいわけ?」
「うっ…さいってぇ…」
彼女は再び、そこにいる全員を強く睨んだ。
(( 罰ゲーム ))
――コンコン
「……」
返事がない。
(いないのかな…?)
しかし“この格好”のまま廊下にいるのは、彼女の羞恥心を増させるばかりだ。彼女は、まぁいっか、というように部屋へ入っていった。
―ガチャッ
「あれ?」
ドアを開ければ、デスクにはザンザスが居た。しかし、腕を組んで下を向き、背もたれに身を沈ませている彼は、きっと疲れて寝ているのだろう。彼女は“そんな格好”というのも忘れて彼に近づき、ノートパソコンを閉じて寝やすいように少しだけ椅子を倒してやる。
「ザンザス、寝顔可愛い…」
それからちゅ、と額にキスをすると、彼女は目を細め、彼を見つめる。
(何か…私も眠くなってきた…?)
彼女はだんだんと眠気に襲われていき、彼に凭れ掛かるように眠ってしまった…。
彼はふと目を覚ます。
開いてすぐに猫の耳が視界に入り、不審に思ってそちらを見ると、愛しの彼女が自分の膝に乗り、彼の胸に寄り添うように眠っていた。
…とは言ったものの。
(…何だ、この格好……)
まず彼女が頭に付けているネコ耳。黒くて少しリアルだ。それから身に纏っているメイド服。胸元に大きな白いリボンが結ばれており、小さく付いているエプロンや黒いミニワンピの裾には、ヒラヒラのレースが付いている。さらには大胆に短いスカートから見える脚を隠すかのように、黒とグレーが交互に続くニーソックス。彼は戸惑い、瞳を揺らした。
「おい」
「……」
困って彼女を呼んでみるが、返事はない。
「…おい。おい、名前」
「ん〜…」
軽く揺すってみれば、彼女は声を漏らすだけだった。
「チッ」
彼は自分の上にいる彼女の両頬を両手で包み込むと、少し角度をつけて深めに口づけた。
「ん、ぅ…?!」
突然入ってくる熱い舌に驚き、彼女はピクリと反応した。それに構わず口腔を犯し、室内に水音を響かせる。やっとそこで意識を取り戻した彼女は、目を開けてから彼の伏せ目にドキリと胸を鳴らせた。
「ちょ、んん…っ!」
起きたことを彼に伝えるように、彼女は彼の背中をバシバシ叩く。彼は煩いとでも言うかのように離れると、彼女をジロジロと見回した。
「何すんの!」
「テメェ、何だその格好」
「へ…?」
ポカンと口を開けてから自分の格好を確認すると、ハッと気付いたように自分の腕で隠す。
「違っ!こ、これはね!これはねっ!」
「…そんな趣味だったのか」
「ちっがーーう!」
全力で否定してから、彼女は軽いため息をついた。
「罰ゲーム、なの…」
「あ?」
「今日1日、ザンザ…ボスの言うこときかなきゃなんなくて」
「…何だそれ」
彼女は泣きそうになりながら必死に訴えてくる。
「本当はね、皆でスクにさせようって言ってたんだよ!なのにベルが最後に裏切って…」
(騙されたんだろ、それ…)
彼は呆れた顔でため息をついてから、ふと何かに気付いたようにニヤリと口角を上げた。
「おい、さっき言うこときかなきゃいけねえって言ったか?」
「え?……………うん」
「何で嫌そうなんだ、テメェは」
再び呆れる彼を見上げ、彼女はぷくっとほっぺを膨らませた。
「だって…ボス、変なことばっか要求してきそうだから…」
「あ?…こーゆーことか?」
彼は彼女の耳の後ろから項にかけて、ゆっくり指でなぞる。ピクッと反応した彼女にニヤリとし、耳を軽く甘噛みした。
「ち、ちょっとボス…!」
「別にいつも通り名前で良い。それとも雰囲気作りか?」
「はっ、だって、ご主人様は、恥ずかしいからっ…ん、」
彼の舌は、もう首筋をなぞっている。
「待っ、ザンザ、ス…っ!これじゃ、私がされてるじゃん…!」
その言葉に、彼はピタリと動きを止めた。
「テメェがやりてぇのか?」
「え?…だって、いつもされっぱなしだし…こーゆーときくらい、さ」
「…好きにしろ」
彼はフッと笑う。彼女はコクンと頷くと、彼の膝から降りて床に膝を付き、椅子に向き直る。少々震えた手付きで彼のベルトを外すと、チラッと彼を見上げた。
「怖ぇなら止めとけ」
「ううん…やってみたい」
「…フン」
彼女は彼の脚の間に顔を埋めると、ゆっくりソレを舐めはじめた。初めはちろちろと先端を舐め、次に裏側をツゥ、となぞる。彼が微かにピクッと動き、彼女は少しだけ嬉しくなった。
そんな時…、
―コンコン。
誰かがドアをノックする。焦った彼女は思わずデスクのかげに隠れ、彼も入れと返事をした。
「失礼しまーす」
「ねーボス、名前どうだった?」
「あ?」
入ってきたのはベルとフランだ。彼女はデスクの陰に隠れながらも、彼のソレを手で触ってみた。
(続き、しても良い…?)
訴えかけるように見上げてみると、彼はチラッと彼女に視線を投げ、指をクイクイッと曲げて見せる。
(やってみろ)
それを見て、彼女は再びそれを口に含んだ。口に入りきらない部分は手で扱きながら、舌を遠慮がちに動かした。
「…ッ、」
(歯、立てんな…っ)
彼がビクッと動くと、ベルとフランは察したように「あー」と漏らす。
「ミー、用事思い出しましたー」
「俺もだぜ。じゃあ 行くな、ボス」
「っ、あぁ…」
彼が頷くのを確認して、2人は静かに部屋を出ていった。
―パタン。
ドアが閉まる音がして、彼女は安堵のため息をつく。
「もう行った?」
「っ、咥えたまま、しゃべんじゃねえ…ッ」
ビクゥッと大袈裟に反応し、彼のソレは微かに質量を増した。
「出そう?出して良いよ?」
「っるせぇ、もう良い…っ」
「でも、」
「出すなら、テメェん中に出してやるよ」
離せ、と言われ、彼女は素直に口から出した。トロンとした目の彼女を抱き上げ、彼は自分の膝の上に乗せ、脚を開かせる。秘部を指でなぞってみると、ソコはもう熱く湿っていた。
「何でテメェがイキそうになってんだよ」
「え…だって、何かえっちな気持ちになっちゃって、」
「フン…なら、慣らしは要らねぇか」
「えっ、ちょ、きゃあッ」
下着を剥ぎ取られたかと思えば、突然ソレが宛がわれた。
「待っ、ザンザ…あ、あぁっん!」
「っ、」
そのまま奥まで挿入すると、グイグイと抉るように突き上げられた。
「あっ、あぁ〜…ッ」
「ハッ、そんなにイイか?」
彼のモノはいつもより熱く、大きい。気分も高まっていた彼女はそのまま達してしまい、その締め付けにより彼も彼女のナカへ、熱を放った。
「きゃ、ああ…んっ!あ、つ…ッ」
ビクビクと身体を跳ねさせる彼女に、彼はナカに入りきらなくなるほどたくさん、自分のモノを注ぎ込んだ…。
「これ、大成功だったな」
「そうですね。ボスも久々に機嫌良かったですしー」
「またやろうぜ」
「ゔぉぉい、今度は何にするんだぁ?」
「セーラー服とか、ですかねー?」
「じゃあ早速、ルッスーリアに頼むか」
そんなやり取りをしているとは知らず、彼女はまたババ抜きへ誘われてしまうのであった。
END
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コスプレイをあまり活かせませんでしたが、ご奉仕書けたので満足です(笑)
ヴァリアーの皆さん、空気読ませてごめんなさい。名前様、お付き合いありがとうございました。
20110926
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