考えることを放棄したんだ…
考えてどうにかなる話ではないから
でも、楽になるのはほんの一瞬
余計に苦しく、辛くなる
どんなに泣いても
どんなに叫んでも
状況はなにも変わらずに私を待ちかまえている…。
もう、腹を括るしかないんだね
もう…
会えないんだね
変わらないままで
あれは何だったの?
どうして私は濁流にのまれていたの?
さっきまで渡り廊下にいた。
有川君がいて
春日さんがいて
眼鏡の男の子がいて
高校には不釣り合いな恰好の男の子がいて
確認できた瞬間、流されていた。
彼女たちは名前を呼び合い必死だった。
手を伸ばして捕まえようと必死だった。
なのに私は?
ワ タ シ ハ … ?
呼べる名前がなくて、
手を伸ばしても掴んでくれる手がなくて
一人なんだと言われた気がした…。
私は此処にいてはいけない。
そう思った瞬間、意識を手放していた。
だから沈んでいく私の手を掴んでくれていることも、「柏崎っ!!」と名前を呼んでいてくれたことも
その時は気付かなかった。
助かるとも思っていなかった。
変わらないでという思いは無残にも砕かれた