※ネナ刹♀で性描写あり。苦手な方は注意ください。

ニールとの夜を過ごしたその次の日から刹那は様々な男と同衾した。どんな客にも足を開くのが遊女である。

刹那の細腰を乱暴に掴みガツガツと最奥を長時間抉り続け足腰立たたなくなるまで犯し抜いた賭博場の警備をしている巨漢。部屋に入るや否や刹那の体を縛り持参した数多くの張り型で刹那の秘所を朝まで嬲り続けた卸問屋の会計方で狐のように細目ですらりとした男。

己の陰茎に高級な蜜や水飴を垂らしそれを舐め取るように命じ「女の人が僕の精液と一緒に甘味を食べている様を見るのが最高に好きなのだ」と刹那の喉の奥で何度も果てたのは裕福な商家の長男坊。着物をろくに脱がさず下腹部だけを晒したまま足を開かせ酒で濡らした筆で陰部をひたすら撫で続け、くすぐったい快感と酒に酔いじゅくじゅくに濡れそぼったそこを舌で舐め回した小太りの下級武士。

毎夜異なる男に様々な方法で体を快感に染められて、刹那の体は日に日に変わっていった。わずかな接触ですぐさま肌は総毛立ち受け入れる準備が勝手に整う。満足して眠りこける客の隣で静かに、しこたま膣内に出された精液を和紙で拭う。身を削り、体を男たちに提供する。そんな生活が日常になりつつある。



刹那に上等な客がついている、という事実がネーナは気に食わない。骨と皮だけの体に申し訳程度の脂肪がついただけの粗末な肢体。自分の方がよっぽどそそる体を持っているというのに自分につく客は羽振りが悪い。憤慨しながら廊下を大股で歩く。

「あら?」

その前方に件の刹那の姿が見えた。今日はスメラギのもとに懇意にしている客が大人数で登楼あがり、どんちゃん騒ぎをしている。その手伝いをしているようだ。

「刹那、もう大丈夫。あとは禿たちにさせるわ」

「わかった」

いとまができた刹那は煌びやかな客間からこちらに向かって来る。遊女たちが寝起きする部屋へ戻るつもりらしい。そそくさと身を隠したネーナはちょうどいいわ、とひとりごちて物置に使われている小部屋に体を滑り込ませる。その部屋の前を通り過ぎようとした刹那の襟を掴んで引きずり込み、驚いて自分を見る石榴の瞳に「静かにするように」と手振りで命じた。

「ネーナ?一体なんの用だ?」

「初見世から間もない新人を再教育してあげようと思ったのよ。有り難く思いなさい」

「再教育…?な、なにをする…!」

「静かにしなさいって言ったんだから黙ってなさいよ」

着物の裾をめくるネーナの挙動に驚き声を上げる刹那の腿を叩いて黙らせた。

「他の遊女に聞こえないように声出すんじゃないわよ」

畳に押し倒されなすがまま足を広げている刹那の上にネーナは跨った。もとよりゆったりとした合わせは簡単に刹那の肌を露にした。脂肪が少なく影をつくる鎖骨の下に小振りな乳房が二つ。すらりと細く伸びた脚の付け根には茂みがない。ネーナも着物を脱いで豊満な体を刹那の前に晒し、自分の陰部を刹那のそこに合わせるように腰を揺する。粘膜と粘膜が擦れる感覚に刹那は目を開いてくぐもった声を上げた。

「あっはは!あなたのここ、まるで赤ちゃんみたい!ツルツルなのね」

年頃の女であればここには生えているはずのそれが刹那にはない。一方のネーナは和毛がふわりと茂って奥まったところを隠している。その下の方で、ネーナと刹那の陰唇が口吸いをしている。ぱくりと開かれた陰部。つるりとまっさらな刹那のそこは左右に広げただけで中身が見えてしまう。桃色の綺麗な膣口がひくついている。

「んっ!」

主導権を握り好き勝手動いているネーナとは違い、予想のつかない動きに翻弄されている刹那は時折艶っぽい声を出す。隠すものがなく弱い部分を曝け出している刹那にとっては、触れるもの全てが快感になっている。ネーナの和毛、陰唇、太もも、吐息。夜毎、男たちに仕込まれていく体は否応なしに反応していく。声がもれないようにと口を手で覆っている刹那の様子がだいぶ切羽詰まっていることを、わかっていながらネーナは執拗に陰部を責める。自分もほどよく心地良くなる場所を探しては、刹那の鼠蹊部に擦り当てて楽しんでいた。

「あら、刹那ったらいやらしい。もう女陰ほとがびちょ濡れよ?」

「ん、ふう…っ!」

陰唇を見遣って、ネーナは笑う。手を離しているのにそこはぱっくりと左右に広がって中央の男根を受け入れる小さな穴は蠢いて透明な汁を垂れ流している。てらてらとぬめって光るそこは、さぞ美味しそうに男根を飲み込めるだろう。

「それに、こんなに真っ赤に膨らませて…気持ちいいのね?」

陰唇の上部に顔を覗かせている赤い豆粒を指先でつん、と弾くと腰を戦慄かせて刹那は痙攣する。

「ひっ…あ、あっ…!」

「ここ気持ちいいわよねえ。わたしも好きよ」

そう言って陰部を刹那の陰核に押し付けて乱暴に腰を振った。熱く柔らかい肉が、コリコリと陰核を撫で回す。逃げようと腰を捩ってもネーナの腕は刹那を離そうとしない。捩ったせいでネーナのそこに自ら擦りつけることになり刹那は体を仰け反らせる。達している。粘膜の奥、空洞になっている部分がきゅうう、と断続的に収縮している。あ、また達した。そう思うと同時に視界が白く弾けて刹那は畳に突っ伏す。

「うふふ、刹那、イッちゃったのね。遊女にイかされる気分はどう?」

淫蕩な笑みで見下ろすネーナは満足していない。

「続きしましょ。ぷっくり膨らんでいやらしいったらないわ」

コリコリ、と互いの陰核が擦れる。腰に走る快感に二人は揃って甲高い声をもらす。どちらのものとも判別がつかない粘質な液が垂れる。それを潤滑油にして擦ると更に快感が走る。陰唇も陰核も、陰部全体が充血して触れるもの全てが気持ちいい。

「ほら、これでもっと気持ちよくなれるわ」

ネーナが持ち出したのは双頭の張り型だ。棒の両端に男根を模した型がついていて、ネーナはその片方を自分の膣口に宛がった。押し込むと少しばかりの抵抗のあと、そこにするりと収まった。ネーナの股から男根が生えている。

「―っ!」

「ほら、刹那、挿入いれるわよ」

寝転がる刹那の返事を待たずネーナは圧し掛かる。ミチ、と肉が抵抗したのは僅かな間で張り型はあっさり刹那の膣内を犯した。少し冷たいと感じたのも束の間、動き出した張り型に肉襞を撫でられ刹那は鳥肌が止まらなくなる。寸毫すんごう動いただけで登りつめそうになった。

陰唇を乱暴に左右に広げてネーナは腰を振り始める。天井を向くほどに勃っている陰核の皮を剥きネーナは指の腹でこすり合わせるように詰る。女の体を知っているからこそできる陰湿な責めだ。中と外を同時に嬲られ刹那は切羽詰まった悲鳴をもらす。

「う、ぐう…っ!やめ、やめろ…!」

「嫌よっ、身の程を弁えさせてやるんだから…!」

穿たれると刹那の陰部から熱い潮が何度も迸る。体が、足がつま先まで撓るように伸びた。それでもネーナの責め苦は止まらない。陰部が熱い。理性も思考もどこか遠くに行ってしまって、快感を得るだけの機能だけがある体になっている。足を大きく限界まで開いて股をくっつけ合って腰を振るだけの生物に成り下がっている。

「あ、あ、っ いや、っああっ!」

「はあ、 んっ そこ、好きっ…!」

更に腰を密着させると、互いの奥深くにまで張り型が押し込まれる。それと同時に、再びコリコリ、と互いの陰核を擦りあわせて二人して腰を戦慄かせる。芯のある器官が互いを突き合って際限なく快感が襲う。ぴちゃぴちゃと規則正しく噴き出す潮が着物に染みを作る。

「うっ、だめ、だめだ、いく、いくっ……ひゃ、あっ!!」

「わたしも、い、いくう……ああんっ!」

調子に乗るな。上下関係をわからせてやる。そう知らしめてやる予定が大きく狂い、ネーナも刹那とともに肉欲を貪った。


・初見世→遊女が初めて店に出て客をとること。