『シロちゃん‥いいの?』
 
『いい』
 
 
 
あたしとシロちゃんは恋人同士だけど‥今まで、なかなか泊めさせてくれなかった。
(むしろ、幼馴染みの時の方が泊まる回数が多かったし‥)
 
 
それなのに、今回は優しいね。‥あ、優しいのはいつもかな。
 
そう思ったことを言えば、バーカ、と言われた。
 
 
‥うん、ごめんね。
いつも泊めてくれない理由はわかってた。
 
 
最初は全然わからなかったけど、乱菊さんに相談して‥なんとなくわかっちゃったんだ。
 
 
 
『シロちゃんも、男の子だもんね‥?』
 
『な‥!』
 
 
 
 
そうやって困らせてるうちに‥シロちゃんの部屋に着いた。
 
 
廊下は寒かったはずなのに、シロちゃんが抱きしめてくれてたおかげで身体は温かくて。
 
部屋に入っても、ぬくもりは続いているような気がした。
 
 
 
 
『ほら、布団敷いてやったから。‥どうせ一緒に寝たいって言うんだろ?』
 
 
敷いた布団は一枚だけ。
 
『シロちゃん‥ヘンなことしたりしない?』
 
『‥保証はできねえよ。』
 
 
目を合わせられないシロちゃんが、どうしようもなく可愛い。
 
 
どうしようもなく、愛しい。
 
 
 
『いいよ、それでも』
 
『‥桃‥?』
 
 
 
 
 
だって、
 
 
どうしようもないくらいあなたが。
 
 
 
 
『だーい好き!!』
 
 
 
 
 
布団の上に座るあなたにダイブ。
 
 
驚いた顔で、それでもしっかり受け止めてくれる。
 
 
 
 
好き。
 
 
 
大好き。
 
 
 
 
どうしようもないくらい、あなたのこと。
 
 



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