‥雛森、さっきの悲鳴はそれかよ、とか‥わかりやすすぎるだろ、とか‥
 
からかうことはいくらでもできるのに。
 
 
 
 
 
あることに気づいて、俺の目線は一気に逸らされた。
 
 
 
『‥鍛錬ついでに、花壇に水あげようとしたんだけど‥』
 
 
 
予想通りのことをしたらしい雛森に、無言で羽織を押し付けた。
 
 
『むぐっ!?』
 
 
驚いてジタバタする雛森。
 
 
『ひゃ、ひゃにする‥』
 
 
 
 
 
 
『これ着ろ』
 
 
『へ?』
 
 
 
‥気づかないのか、鈍感。
 
 
 
『‥これ上に羽織れ』
 
 
『え、ちょっと待って日番谷くん!なんで急に?‥そんなことしたら、羽織濡れちゃうよ?』
 
 
ハァ、と雛森に分かるようにため息をついてみる。
気づけ、気づいてくれ。
 
 
 
 
『雛森お前‥自分の格好、見てみろよ』
 
 
『‥‥‥格好‥?』
 
 
俺に促され、まじまじと雛森は自分の格好を見つめた。
 
 
 
水を吸い、ぴったりと身体に張りつく死覇装。
 
さらには、襟元は少しはだけ、綺麗な鎖骨を露にしていて。
 
 
 
まあつまりは‥小さいとはいえ、強調されるところは、強調されていたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
『きゃああああ!!?』
 
 
 
 
『‥気づくのおせえよ、馬鹿野郎‥』
 

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