まだ少し冷たい空気。
寒さなんて関係ないとばかりに響いてくる、子供たちのはしゃぐ声。
綾音はそれを心なしか遠くに感じながら、公園のベンチで大河の胸に顔をうずめていた。
‥どちらかといえば、頭を大河に押さえつけられていた、という方が正しいのだけど。
『ちょっと待っ‥!痛!』
『‥バカ、変に動くからだろ?マネージャーはおとなしくしてて』
『だって清水君‥!』
離れようとする綾音の頭をギュッと自分の胸へと引っ張る大河。
‥周りから見ればどこのバカップルだ、という感じで。実際、何人かの子供たちからじーっと見られている。
『だからって、だからって!』
顔を赤くして、綾音は叫んだ。
『ボタンにひっかかった髪の毛くらい、自分でとれるんだからっ!!』
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