『ひっつん、羽織に苺シロップついてる〜!』
 
『うっせえ、笑うな!』
 
 
 
 
『ごめんね、日番谷くん‥!こんなになっちゃった‥』
 
そう言って雛森は手ぬぐいを取り出し、日番谷の顔や頭を拭きだした。
 
 
『いや、別に‥氷とかかかっただけだしな。‥お前にかかんなくて‥よかったんじゃねえの』
 
 
 
『日番谷くん‥』
 
 
優しい言葉に雛森は頬を緩める。
 
 
そこで日番谷は、お得意の憎まれ口でも叩いてやろうと口を開いた。
 
 
『まぁでも、あえて言うなら‥‥』
 
 
 
そのドジっぷりを少しは直せよな、と続くはずだった言葉。
 
 
 
 
 
『昔みたいに体洗ってくれたらいいんだけどな♪』
 
 
 
 
‥‥‥‥‥。
 
『‥おいいぃぃぃ!!?』
 
 
 
 
日番谷の叫びが貴賓室にこだまする。
 
 
‥当然だが、今の台詞は日番谷が言ったものではない。
 
 
 
 
 
『草鹿っ!!何言ってやがる!?』
 
  
『え〜?ひっつんの心の声を言ってみただけだよ♪』
 
 
台詞を言った張本人‥やちるは当たり前のように返した。
 
 
『つーか、昔みたいにって‥なんでお前が知って‥!』
 
 
『なんとなくだも〜ん!そっか、当たってたんだぁ♪』
 
 
『!!』
 
 
墓穴を掘る日番谷。
 
 
一方、雛森は。
 
 
『‥シロちゃん‥体洗って欲しいの?』
 
 
そう呟き、しばらく考えこんだ様子をみせると‥‥ 
 
 
 
 
日番谷の死覇装に、手をかけた。
 
『おわあっ!?い、いきなり何すんだっ!?』
 
慌てふためく日番谷。しかし雛森は、だって、と返しながら日番谷の死覇装を引っ張る。
 
 
『お風呂はさすがに無理だけど‥体を拭くことならできるよ?』
 
 
『な‥べ、別にいいっての!草鹿が勝手に言ったことだろ!』
 
『でもシロちゃん、してほしそうな顔してたもん!』
 
『してねえよ!!』
 
 
俺は変態か!と日番谷は心の中でツッコミをいれた。
 
 
 
『とにかくっ、早く脱いじゃって!』
 
『それがおかしいだろっ!しかもさっきから、さりげなくシロちゃんて呼ぶな!』
 
 
 
 
‥‥そんなやりとりを眺めるやちる。
 
 
 
『甘い、甘いね♪』
 
 
さっき食べたかき氷より、こんぺいとうより甘い甘い。
 
 
 
 
こっそり懐に忍ばせていたボイスレコーダーを握りしめ、満面の笑みを溢す。
 
女性死神協会の次の企画に、ぜひとも使わせてもらおう。(二人には内緒だ)
 
きっとまた、商品も素晴らしく売れるはず。
 
 
‥‥まあとりあえずは、この二人のやりとりを十分楽しんだということで。
 
 
(今日はお腹いっぱい、ごちそうさまでした♪)
 
‐fin‐

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