『女心?』
『‥そうですねぇ‥雛森に明日きいてみたらどうですか?』
ニマニマと笑いながら松本は言った。
『‥それに隊長、雛森に会いたかったんでしょう?』
『‥‥!』
‥確かにそうだ。会いたくてたまらない‥けど、俺は雛森に無理させたくないわけで‥。
第一、その“女心”ってなんなんだ‥?
‥結局その日もまた残業で、自室に帰ってきたのは夜中だった。
雛森には、会えなかった。
――――‐‐‐
‥翌朝、かなり早い時間に目を覚ました。書類を早く片付けたいというのもあるが、雛森に早く会いたいという思いが強かったから。
来る時間なんて、分からないのに。足は動いた。
そして執務室が見えてきたところで、止まる。
‥霊圧。これは、雛森のー‥‥。
『‥日番谷くんっ!』
久々の笑顔。
『‥‥雛森‥』
雛森が駆け寄ってきた、その瞬間。
“ああ、こいつ可愛い”
愛しさが、こみ上げた。
まだ人が少ないとはいえ、廊下だというのも忘れて雛森の腕をひく。
思い切り、抱き寄せた。
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