『〜はぁっ‥!‥何するのよ、日番谷くんっ!?』
涙が少し溜まってしまって凄みはないかもしれないけど。きっ、と睨んだ。
『‥当たりだったからな』
『当たりって‥どこが当たりだったのよぉ‥!』
そう言ってみたら、日番谷くんが楽しそうに笑った。(こんな笑顔は貴重なんだから、もっと違うときに使ってほしい)
『俺にとっての当たりだから。お前が当たり引いたら褒美でもやろうと思ってたんだよ。で、はずれが出たら罰ゲーム。』
『罰ゲームって、キスのこと‥?じゃあ、ご褒美って何だったの?』
『キス。』
当たり前のように、すました顔で日番谷くんは言った。
『‥‥何それぇ‥』
‥つまり、単純にキスしたい理由に使っただけってこと?
‥ということは、何が出ても今のキスは行われてたってこと‥?
‥‥‥ずるい。ずるいよ、ずるいです。日番谷隊長。
昔の貴方からは考えられない、かなりの屁理屈。
‥知ってますか、日番谷くん。
甘やかし教育も駄目だけど、反面教師ならぬ“反面親”になっても駄目なんですよ‥?(あたしは、やっぱり子供じゃないけれど。)
“当たりつき”だなんて子供が喜ぶ台詞で騙すなんて‥いつの間にそんなにずるくなったのよ。(あ、やっぱり子供‥?)
‥また新しく気づいたこと。
日番谷くんのこと。
だけど‥これからもいっぱい知っていくんだろうし。
悔しいことに、これからも大好きな人だろうから。
(受け入れちゃうよ、貴方だから。)
‐fin‐
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キスするきっかけが欲しかった日番谷くんと、そんな彼も好きな雛森さん。