そこまで聞いて来られるとは思わなかった。今度は頭で反芻なんてする暇もなく、言葉を溢す。さっきと違い、瞳をしっかり見られない。
 
『それ、は‥なんつーか‥俺は、お前がお前らしいと‥安心するっつーか‥そのだな‥お前はお前で合って、あのヤローなんかに‥じゃなかった、その、アレだ‥』
 
 
‥恐ろしい程にぐだぐだである。
 
本当はもっと言いたいことがあるのだが、今はこれだけしか伝えらんねえ、そう思った。
 
 


 
そうやって、吉良以上にしどろもどろなんじゃねえのか‥なんて感じてきたとき、目線を合わせられずに背けていた方‥つまり雛森の方からくすっと笑いが聞こえた。
 
顔を向ければ、雛森が柔らかく微笑んでいる。
 
 
 
『ふふっ、日番谷くんてば‥。しょうがないなぁ、日番谷くんが落ち着かないと乱菊さんも困っちゃうし‥。眼鏡、外してあげる!』
 
 
 
‥俺の気持ちには微塵も気づいてないのだろうけど。余裕な雛森の言葉に、やっぱり勝てない‥と思った。
 
 
 
そして、眼鏡を外してにっこりと俺を見る雛森は、やっぱり可愛い、とも思った。
 
 
 
‐fin‐
 
 
 
 
 
 
-おまけ-
 
十番隊執務室にて。
 
『そうだ、隊長〜。あたし、五日後だけ銀髪になりますからね!』
『はぁ!?』
 
『言ったじゃないですか、“副隊長”のイメチェン計画だって。一日ごとに交代なんで☆雛森のは隊長のせいで半日ももちませんでしたけど〜』
 
 
『後押ししたのはお前だろうが‥』
 
『そこで隊長に朗報!!第二弾はコスチュームチェンジです!』
 
『あ?あんま片仮名使うな、わかりにくい』
 
 
 
『死覇装の取り替えっこですよ〜!雛森には、あたしかネムのを着せよっかなぁと思ってるんですけど、どう思います?いっそやちるの着せて、はだけるどころじゃなくなるっていうのも‥』
 
 
 
 
 
『‥松本ォォォ!!!』
 
-おまけ:fin-

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